【A】橋下病においては、「重篤な甲状腺疾患のある患者」に該当せず、内分泌専門医によりモニタを実施してもらうようにすれば大きな問題はないと考えられる。以下を参考とした。
甲状腺機能低下症患者や甲状腺摘出患者に関しては,「ヨード造影剤には微量の遊離ヨードが含まれているため,甲状腺機能に影響を及ぼす可能性がある」ことを認識し,造影検査後も内分泌専門医によりモニタを実施してもらうようにすれば大きな問題はないと考えている。
(Basel-Radiology 造影剤の適正使用推進ガイド)
https://radiology.bayer.jp/static/pdf/auth/cm_faq/cm_faq_2.pdf
禁忌
重篤な甲状腺疾患のある患者[ヨード過剰に対する自己調節メカニズムが機能できず,症状が悪化するおそれがある.]
(イオパミロン注 添付文書 )
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_7219412A2068_2_09.pdfヨード造影剤の禁忌対象となるのは主に「甲状腺機能亢進症」であると捉えられる。どの程度の機能異常を「重篤」な甲状腺疾患とするのかという明確な判断基準はないが,甲状腺機能がうまくコントロールされていない患者では造影剤投与を避けたほうがよいと考える。 一方,薬物療法などによって甲状腺機能がうまくコントロールされている患者は,「慎重投与」に分類される「甲状腺疾患のある患者」と考えられる。しかし,このような場合でも可能な限り甲状腺疾患の治療が終了した後に造影検査を施行し,造影剤投与後も甲状腺ホルモンをチェックするなどのフォローをすべきであると考える。
(Basel-Radiology 造影剤の適正使用推進ガイド)ESUR ガイドライン
甲状腺中毒症リスクあり
・未治療のグレーブス病患者
・多結節性甲状腺腫があり甲状腺の自律性亢進がみられる患者(特に、高齢、食事中ヨウ素含量が 低い地域に居住の両方、またはいずれかに該当 する患者)リスクなし
甲状腺機能が正常の患者勧告
・顕性甲状腺機能亢進症の患者にはヨード造影剤 を投与しないこと。
・顕性甲状腺機能亢進症の患者にはヨード造影剤 を投与しないこと。
・一部の高リスク患者では、内分泌専門医による特に、食事中ヨウ素含量が低い地域の場合)。
・造影剤投与後、リスク患者では内分泌専門医による厳密なモニタリングを行う。
・経静脈性胆管造影剤は、リスク患者に投与しないこと。