【Q】「服薬後フォロー」は加算があるか?医師の指示が必要か?薬歴記載様式があるか?

【質問】「服薬後フォロー」というのは特に加算や医師の指示、薬歴記載様式はないものでしょうか?

【A】「服薬後フォロー」による加算はなく、薬剤師法第25条の2第2項による薬剤師の義務と考えられます。また、医師の指示は不要であり、必ずしも患者の同意が必要ではありません。薬歴記載様式についても、定まったものはなく、「簡潔に要点を記録する」「記録する内容にメリハリをつけて重要な事項を浮き彫りにする」ことが日本薬剤師会として推奨されています。
日本薬剤師会が作成した「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」を参考に「服薬後フォロー」を行う必要があります。

以下、「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」からの重要点を抜粋しました。

 

・「薬剤師は、前項に定める場合のほか、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者の当該薬剤の使用の状況を継続的かつ的確に把握するとともに、患者又は現にその看護に当たっている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。(薬剤師法第25条の2第2項)

・薬剤師が薬学的知見に基づいて判断するものであり、必ずしも患者等の同意を前提としない。

・薬剤師は、患者等にあらかじめその意義・内容を丁寧に説明し、理解を得るよう努める

・患者に確認した事項、薬剤師が分析・評価した結果と対応 (患者への情報提供・指導) 等については、調剤録に記載する。(薬剤師法第28条第2項)。

 ・1人の患者には1人のかかりつけ薬剤師が一貫して対応することが理想であるものの、複数の薬剤師が携わる場合があることや医師等への情報提供も考慮して「簡潔に要点を記録する」「記録する内容にメリハリをつけて重要な事項を浮き彫りにする」 という工夫をした記録にすべきである。

・薬剤交付から次回来局までのフォローアップは、患者情報、薬剤服用歴やお薬手帳の情報、服薬指導を通じて得られた情報等を、薬学的知見に基づき総合的に分析・評価して判断する

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