甲状腺機能低下症の患者に対して沈降炭酸カルシウムが投与禁忌である理由は?

【質問】沈降炭酸カルシウム (商品名 カルタン)は、何故、甲状腺機能低下の患者に投与禁忌なのですか

【A】甲状腺機能低下症の患者は、カルシトニンの分泌が抑制されるため、血中のカルシウム濃度が高くなってしまう場合があるためです。

カルシトニンとは?
血中カルシウム濃度が上昇すると分泌され、血中カルシウム濃度を低下させる作用があります。骨形成を促進させるホルモンです。

甲状腺機能低下症の患者は、カルシトニンの分泌が低下するため、高カルシウム血症のリスクが生じてしまいます。
この理由から、沈降炭酸カルシウム (商品名 カルタン)は、甲状腺機能低下の患者に投与禁忌となっていると考えられます。

一方で、「甲状腺機能亢進症」や「副甲状腺機能亢進症」の患者にもカルシウム上昇の可能性がありますが、「カルタン」には記載されていません。当時の日本薬局方「沈降炭酸カルシウム」の使用上の注意に準じて「甲状腺機能低下症」のみで設定されたようです。なお、制酸剤としての「沈降炭酸カルシウ…

会員登録をしていただくと全文お読みいただけます。

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

新着記事

亜鉛製剤による銅欠乏リスク:血清亜鉛値が正常でも銅の定期測定は必要か?

【質問】貧血傾向がある方で、ポラプレジンクや酢酸亜鉛などの亜鉛補充の薬を長期的に内服していた場合の銅欠乏の副作用についてどのようにフォローすべきなのかご教示ください。 採血で亜鉛の項目を確認すること...

欠食はSERMの血栓症、活性型VD3の高Ca血症リスクを高めるか?

【質問】欠食は、SERMと活性型VD3製剤の副作用リスク因子となるか。 SERMの静脈血栓症、活性型VD3製剤の高カルシウムの副作用について。 1食抜くと400mlの水分不足となると言われていますが、摂取水分の減少の面...

CLAPでのゲンタマイシン投与、腎機能低下時は全身投与と同じように減量する?

【質問】骨軟部組織感染症に対する局所高濃度抗菌薬灌流療法においてゲンタマイシンを使用する際、腎機能低下がある場合の用量設定はどのように考えればよろしいのでしょうか。全身投与と同じ考え方となりますか...

新着記事をもっと見る