【A】「アネキセート注射液」は「フェノバルビタール」などのベンゾジアゼピン受容体に作用しない薬剤に対しては影響がありません。
「アネキセート注射液」はベンゾジアゼピン受容体に作用する「セルシン(ジアゼパム)」や「ドルミカム(ミダゾラム) 」に対してのみ拮抗します。
つまり、「アネキセート注射液」はバルビツール酸結合部位には影響を及ぼさず、ベンゾジアゼピン受容体に作用する薬剤のみ効果があるということになります。
ベンゾジアゼピン骨格を持つ薬剤→「アネキセート注射液」で拮抗する
ベンゾジアゼピン骨格を持たない薬剤→「アネキセート注射液」で拮抗しない
アネキセート注射液は中枢神経系におけるベンゾジアゼピン受容体に対して高い親和性を有し、ジアゼパムやミダゾラム等のベンゾジアゼピン系薬物に対して拮抗することにより、ベンゾジアゼピン系薬物の中枢作用を消失させる。
フェノバルビタールやメプロバメート等のベンゾジアゼピン受容体に作用しない中枢抑制薬による作用に対しては影響を及ぼさない。
(引用 : アネキセート注射液0.5mg インタビューフォーム)
脳は活性化と抑制との動的な相互関係で成り立っており、抑制を調節する最大の神経伝達物質はGABA(γ-アミノ酪酸)である。GABAは神経終末から放出され、その受容体に結合するとイオンチャンネルを介してクロルイオンが細胞内に流入し、神経細胞の興奮性が低下する。GABA機構はGABA受容体、ベンゾジアゼピン受容体及びクロルチャンネルの複合体を形成している。ベンゾジアゼピン誘導体がベンゾジアゼピン受容体に働くと、両受容体の相互作用によりGABA受容体でのGABA親和性が増し、間接的にGABAの作用を増強するとされている。フルマゼニルはベンゾジアゼピン受容体に結合し、ベンゾジアゼピン類の生物学的作用に拮抗するが、フルマゼニル自身は生物学的作用を欠いているか又は微弱であると考えられている11,13)。
フルマゼニルは中枢神経系におけるベンゾジアゼピン受容体に対して高い親和性を有し、ジアゼパムやミダゾラム等のベンゾジアゼピン系薬物に対して拮抗することにより、ベンゾジアゼピン系薬物の中枢作用を消失させる。加えて、フェノバルビタールやメプロバメート等のベンゾジアゼピン受容体に作用しない中枢抑制薬による作用に対しては影響を及ぼさないことから、フルマゼニルは特異的ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬といえる。また、フルマゼニルは末梢型ベンゾジアゼピン受容体結合に影響を与えなかったことから、中枢選択性のベンゾジアゼピン受容体拮抗薬であると考えられる。
(引用 : アネキセート注射液0.5mg インタビューフォーム)