【Q】化学療法の際に生じる吃逆に性差はあるか?

【質問】化学療法時に生じる吃逆に性差はありますか?もしあるならその理由は何でしょうか?見ていると吃逆が起こる方は圧倒的に男性に多い気がしています。

【A】「化学療法の際に生じる吃逆は男性のほうが多い」と多数の文献から報告されています。この理由として身長が低い人よりも高い人に多いことや、男性は女性に比べてSRC (steroid receptor coactivators)の脳内発現量が多いことが考えられますが、明確な理由は明らかにされていません。一方で、化学療法時において、吐き気・嘔吐と吃逆の間には逆相関があるため、吐き気・嘔吐は女性の方が多いと報告されています。

 

・薬剤誘発性の吃逆は、中枢神経系、迷走神経または横隔膜神経への影響と関連していると考えられます。

・化学療法時に副作用軽減のために使用されるデキサメタゾンが代表的な薬剤の一つです。デキサメタゾンからメチルプレドニゾロンに変更すると吃逆が緩和されたと報告されています。
(Treatment of dexamethasone-induced hiccup in chemotherapy patients by methylprednisolone rotation. The Oncologist.  18: 1229–1234, 2013)

・吃逆の原因とされる薬剤はいくつかあり、レボホリナート、フルオロウラシル、オキサリプラチン、カルボプラチン、イリノテカン、アプレピタント等が挙げられます。

・吃逆は男性に高頻度に発現するという報告されています。
(シスプラチン化学療法における吃逆の危険因子に関する検討, 医療薬学. 35 : 89­95, 2009, Gender discrepancy observed between chemotherapy-induced emesis and hiccups, Support Care Cancer.9: 435­-441, 2001)

 

・デキサメタゾンはグルココルチコイド受容体を活性化します。これは悪心・嘔吐を予防する作用と吃逆を誘発する作用と関連しています。男性は女性に比べてSRC (steroid receptor coactivators)の脳内発現量が多いため、男性のほうが吃逆が多いと考えられています。デキサメタゾンを中止すると吃逆は起こらなくなりますが、吐き気・嘔吐は増加してしまいます。
 (Cisplatin-related hiccups: male Predominance, induction by dexamethasone, and protection against nausea and vomiting, J. Pain. Symptom. Manage.30: 359­-366, 2005)

 

・化学療法における吐き気・嘔吐と吃逆の間には逆相関があるため、吐き気・嘔吐は女性の方が多いと報告されています。
(がん化学療法による悪心・嘔吐発現の性差. 医療薬学. 34, 742-­747, 2008)

 

・Japanese Adverse Drug Event Report (JADER)データベースを解析した結果、吃逆の副作用は男性優位性が報告されています。また、背の低い人よりも背の高い人に多いことも報告されています。
(Analysis of factors associated with hiccups based on the Japanese Adverse Drug Event Report database. PLoS One. 12(2), 2017)

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