【質問】HIF–PH阻害薬すべてにおいて、簡易懸濁・
【A】簡易懸濁法・
- バフセオ錠 粉砕 ◯ 簡易懸濁法 ◯
- ダーブロック錠 粉砕 データなし 簡易懸濁法 ◯
- エナロイ錠 粉砕 ◯ 簡易懸濁法 ◯
- マスーレッド錠 粉砕 ◯ 簡易懸濁法 ◯
- エベレンゾ錠 粉砕(遮光保存 ) ◯ 簡易懸濁法 データなし
1. エナロイ錠
- エナロイ錠2mg ,4mg 粉砕の可否について →粉砕可能 ◯ (4週間の保存)
4週間の期間において、含量の低下は認められず、粉砕は可能と考えられます。
・エナロイ錠2mgの粉砕
【保存条件】25°C,60%RH
4週間後→ 含量 98.6%, 水分 2.6%, 外観の変化なし, 分解生成物0.1%以下
・エナロイ錠4mgの粉砕
【保存条件】25°C,60%RH
4週間後→ 含量 98.8%, 水分 2.6%, 外観の変化なし, 分解生成物0.1%以下
(エナロイ錠 インタビューフォーム)
- エナロイ錠2mg ,4mg 簡易懸濁法の可否について →簡易懸濁法可能 ◯
エナロイ錠は適切な簡易懸濁法の後、8Frのチューブに通過するため、簡易懸濁法は問題ないと考えられます。
経鼻チューブ8Frを通過。55℃の水に5分で崩壊。
(エナロイ錠 インタビューフォーム)
2. ダーブロック錠
- 粉砕後の安定性に関するデータなし。
- 簡易懸濁法可能 ◯ (簡易懸濁については、東京医療センター薬剤部 簡易懸濁法データベースには8Frで通過すると記載あり)
3. バフセオ錠
- バフセオ錠150mg ,300mg 粉砕の可否について →粉砕可能 ◯ (3ヶ月の保存)
粉砕後3ヶ月後の含量は97.6%であり、含量の大きな低下は認められませんでした。また、光にも安定しており、粉砕は可能と考えられます。
・バフセオ錠150mgの粉砕
【保存条件】30℃±2℃ ・75%RH±5%、褐色ガラス瓶、開栓 (暗所)
3ヶ月後→ 含量 97.6% 類縁物質0.05% 水分2.3%
光 120万lx・h →含量、類縁物質、水分 ほとんど変わらず。・バフセオ錠300mgの粉砕
【保存条件】30℃±2℃ ・75%RH±5%、褐色ガラス瓶、開栓(暗所)
3ヶ月後→ 含量 98.1% 類縁物質0.05% 水分2.4%
光 120万lx・h→ 含量、類縁物質、水分 ほとんど変わらず。
(田辺三菱製薬 粉砕データ、簡易懸濁法試験
- バフセオ錠150mg ,300mg 簡易懸濁法の可否について →簡易懸濁法可能 ◯
8Frを通過しており、簡易懸濁法は可能と考えます。
(田辺三菱製薬 粉砕データ、簡易懸濁法試験)
4. マスーレッド錠
- マスーレッド錠5mg,12.5mg,25mg,50mg,75mg 粉砕の可否について →粉砕可能 ◯ (3ヶ月の保存)
3ヶ月の期間において、含量の低下は認められず、粉砕は可能と考えられます。
・マスーレッド錠25mg, 75mgの粉砕
【保存条件】25°C,75%RH
3ヶ月後→含量に変化はなし。類縁物質の増加なし。
光照射120万 Lux•hr 10日間 →含量の変化なし。類縁物質の増加なし。外観に僅かな変化(白色から微黄色)あり。
(マスーレッド錠 インタビューフォーム)
- マスーレッド錠5mg,12.5mg,25mg,50mg,75mg 簡易懸濁法の可否について →簡易懸濁法可能 ◯
8Frのチューブに通過し、簡易懸濁法は問題ないと考えられます。
55℃の水に5分で崩壊。経管チューブを通過し、シリンジ内およびチューブ内に残存物は認められない
(マスーレッド錠 インタビューフォーム)
5.エベレンゾ錠
- エベレンゾ錠20mg, 100mg 粉砕の可否について →粉砕可能 ◯ (4週間の保存) (※遮光保存が必要)
4週間の期間において、含量の低下は認められず粉砕は可能と考えられますが、遮光保存が必要です。
・エベレンゾ錠20mg, 100mg の粉砕
【保存条件】30°C,84%RH
4週間後→含量 98.9% 類縁物質0.05%以下 水分6.8%
25°C なりゆき1000lx 24時間保存→ 類縁物質の増加 0.62%
- エベレンゾ錠20mg, 100mg 簡易懸濁法の可否について →簡易懸濁法に関するデータなし。