急性心不全に患者に対するブロムペリドールの使用は?

【質問】精神科からブロムペリドールが継続して処方されている患者がいます。急性心不全になり、他の総合病院へ入院することになりました。 精神科医師は把握したうえでブロムペリドールを処方されたようなのですが、 一応添付文書上では重症心不全には禁忌です。把握しているということで処方通りお渡しをしたのですが 疑義照会するべきだったでしょうか。

【A】ブロムペリドールはブチロフェノン系の抗精神病薬であり、ドパミンD2受容体遮断作用があります。

添付文書にはブロムペリドールの禁忌として「重症の心不全の患者〔心筋に対する障害作用や血圧降下のおそれがある。」と記載されています。ブロムペリドールはハロペリドールとは同じブチロフェロン系の薬剤であり、類似薬に位置付けされており、以下の通り記載されています。

重大な副作用 (類薬)
心室頻拍(Torsades de Pointesを含む) : 類似化合物(ハロペリドール)で心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

ブロムペリドールについての報告はありませんが、類似薬であるハロペリドールなどの薬剤からの報告を参考にすると、心疾患に関連するイベントに対する注意が必要です。今回のケースでは、疑義照会以外にも、トレーシングレポートなどを利用した情報提供が、選択肢の一つとして考えられたかもしれません。

ほとんどの抗精神病薬には、QT間隔の延長が原因とされる突然死が報告されています。クロルプロマジン、チオリダジン、ハロペリドールの静脈内投与は、最もリスクが高いとされています。これらの薬剤を使用する前に、心電図と血清カリウム値を検査することが推奨されています。

① 米国食品医薬品局は、5,106人を対象とした調査から、抗精神病薬を使用することで、認知症に関連した精神病を持つ高齢者の死亡率が1.6~1.7倍に増加すると警告しています。これらの死亡原因を詳しく調べた結果、大部分は心疾患に関連するイベント(心不全や突然死)や感染症(主に肺炎)が原因であることが明らかになっています。
https://psychrights.org/drugs/FDAatypicalswarning4elderly.pdf

② 抗精神病薬の服用患者は、服薬していない患者と比較して、心臓による死亡率、全死亡率、突然死のリスクが高くなることが報告されています。 (Cardiovasc Psychiatry Neurol 2013 Vol. 2013 Pages)

③ 2018年の研究では、心筋梗塞後に入院した6,578人の患者を対象に調査の結果、経口ハロペリドールを投与された患者は、第二世代抗精神病薬を投与された患者と比較して、死亡のリスクが高いことが明らかになりました。 (Bmj 2018 Vol. 360 Pages k1218)

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