【質問】アルコールの小分けに不向きな材質があると聞いたのですが、消毒液などの外用液や内服液剤を小分けする際、注意が必要・避けるべき容器はありますか?
【A】ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル樹脂(PVC)などの材質の容器であれば、アルコールの保存に関して問題はありません。しかし、長期に渡って詰め替えをしている容器は芽胞汚染 (芽胞を形成する菌であるため、アルコールで死滅しないことがある)している可能性があるため、6ヶ月を目安に洗浄や乾燥を行う必要があります。
容器の詰め替えをしてもいいの?
長期間にわたって詰め替えをくり返すと、チリやホコリなどの混入による芽胞汚染を受けてきます。したがって、その容器は6か月ごとなどに洗浄・乾燥を行ってください。
(健栄製薬 消毒薬Q&A)
以下の材質の容器内でアルコールを保存することは、避けることが望ましいと考えられます。
アルコールにより変性する可能性がある材質名 (樹脂名 (JIS略語))
1. AS樹脂(SAN) 【アクリロニトリルとスチレンの共重合化合物】
くり返し使用すると不透明になる。食卓用品、使い捨てライター、バッテリーケース、文具、化粧品容器などに使用される。
2. ABS樹脂 (ABS) 【アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの共重合体】
長時間浸漬すると膨潤する。家庭用ゲーム機、建築部材玩具などに使用される。
3. ポリスチレン(PS)
長時間アルコールを入れておくと内容物の味が変わる。CDケース、食品容器などに使用される。
4. アクリル樹脂(PMMA)
アルコールには不溶であるが、僅かに内容物に異臭を生じる コンタクトレンズ、食卓容器などに使用される。
5. ナイロン(PA)
浸透のおそれあり。食品フィルム、魚網に使用される。
(参考 : 日本プラスチック工業連盟 主なプラスチックの特性と用途)