【Q】輸液混注において、バッグやルートの材質に注意すべきな薬剤は?

【A】輸液バッグやルートの材質はポリエチレン (PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などがあります。

その中でポリ塩化ビニル (PVC) は柔軟性を保つために、可塑剤であるDEHP (フタル酸ジエチルヘキシル) が含有されています。DEHPは注射剤に含まれる界面活性剤などで溶出されるため、薬剤によっては注意が必要です。

DEHPにより、消化器症状、催奇形性や肝細胞癌や精巣毒性、抗がん剤の濃度が変化することがあります。 (フタル酸ジエチルヘキシルの有害性評価)

可塑剤としてDEHPを含むポリ塩化ビニル製の輸液セットを避ける必要がある具体的な薬剤としては、「アミオダロン、パチシラン、シクロスポリン、エノシタビン、カバジタキセル、パクリタキセル、テムシロリムス、ブリナツモマブ、タクロリムス、ミコナゾール、ベネフィクス、ベプシド 、ミリプラ」が挙げられます。これらの薬剤の添付文書には「ポリ塩化ビニル製の輸液セット等の使用を避けること」と明記されています。

一方で、イサツキシマブ (サークリサ) やアフリベルセプトベータ (ザルトラップ)は「DEHPの有無に限らずポリ塩化ビニル製の輸液セットの使用は可能である」と明記されており、DEHPが含まれた輸液セットの使用が可能です…

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