【質問】沈降炭酸カルシウム (商品名 カルタン)は、何故、甲状腺機能低下の患者に投与禁忌なのですか
【A】甲状腺機能低下症の患者は、カルシトニンの分泌が抑制されるため、血中のカルシウム濃度が高くなってしまう場合があるためです。
カルシトニンとは?
血中カルシウム濃度が上昇すると分泌され、血中カルシウム濃度を低下させる作用があります。骨形成を促進させるホルモンです。
甲状腺機能低下症の患者は、カルシトニンの分泌が低下するため、高カルシウム血症のリスクが生じてしまいます。
この理由から、沈降炭酸カルシウム (商品名 カルタン)は、甲状腺機能低下の患者に投与禁忌となっていると考えられます。
一方で、「甲状腺機能亢進症」や「副甲状腺機能亢進症」の患者にもカルシウム上昇の可能性がありますが、「カルタン」には記載されていません。当時の日本薬局方「沈降炭酸カルシウム」の使用上の注意に準じて「甲状腺機能低下症」のみで設定されたようです。なお、制酸剤としての「沈降炭酸カルシウ…