イムノブラダー膀注用の廃棄方法と残液処理の方法は?

【質問】イムノブラダー膀注用の調製後の廃棄方法について質問です。 今回初めてイムノブラダー膀注用を調製することになり、色々疑問点が出てきたので質問させて頂きます。 [電子添文] 14.3 薬剤廃棄時の注意 14.3.1 本剤と接触したすべての容器、器具等は煮沸消毒か、適切な消毒液等に浸し、消毒した後処分すること。 と記載されていますが、調製後の空バイアルや使用済のシリンジ・針など調製時に使用したものを廃棄する場合、皆様のご施設ではどのように対処されていますか? また、当日用量が変更されて80mgのバイアルの規格から40mgを使用することになった場合の残液の処理について、今回は市販のハイター(次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤)を混合して処理したのですが、その方法で良かったのか疑問になりご意見を頂けたらと思います。

【回答】AIPHARMA掲示板より https://aifaq.aipharma.jp/user/#/searchBulletinBoard?id=1446&code=sWBX58LNPAHy387

基本感染性廃棄物として処理します。また、煮沸は難しいので、最終濃度0.1%次亜塩素酸に30分以上浸す方法となります。

また、残液の処理ですが以下を応用すればと考えます。

●尿の処理において10%の次亜塩素酸で半分で15分
尿100mLで10%50mL

●家庭用ですと5%と仮定すると等量で15分
尿100mLで5%100mL

●イソプロパノール(99~100)で半量
尿100mLに100%イソプロ50mLで15分

●70%イソプロだと
尿100mLに70%イソプロ100mLで15分

となっています

80mgですと2mLの生食を加え40mg/mLにしていると思います。使用量は1mLですので、家庭用ハイターであれば、等量加えれば良いのではないかと考えます。気になるのであれば、バイアルをハイターで満たしてしまえばいいのではないかと愚考します。

※日本化薬でイムノブラダー膀注用 適正使用ガイドラインを提供して頂くことが可能です。また、HPでも参照できます。

ご参考になれば幸いです。


PMDAの医薬品・医療機器ヒヤリ・ハット事例に中でイムノブラダー膀注用80mg(乾燥BCG膀胱内用、日本株)の使用後の排尿処理に関する医療事故を報告がされています。

https://www.info.pmda.go.jp/hsearch/detail?id=D27100001

製品:イムノブラダー膀注用80mg(乾燥BCG膀胱内用、日本株)

事故の経緯
膀胱内注入療法後、患者の排尿(150mL)を6%次亜塩素酸ソーダと同量混合して消毒しようとした。
混合により熱と発泡が生じ、塩素ガスが発生した。

影響
医療スタッフ6名(看護師、事務員、医師)が目や咽頭の刺激、頭痛などの症状を経験。
・各スタッフは耳鼻科や眼科で1〜3回の診察を受けた。
・患者への健康被害はなかった。

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