【2026年度調剤報酬改定】疑義解釈で明確化された電子的調剤情報連携体制整備加算

調剤報酬関連ピックアップ|疑義解釈その6(令和8年5月22日付事務連絡)

疑義解釈その6で明確化|電子的調剤情報連携体制整備加算は「基本機能対応」で算定可

このピックアップの要点

  • 令和8年5月22日付の疑義解釈その6(別添3 問1)で、電子的調剤情報連携体制整備加算の施設基準が一段明確になった
  • 論点は「電子処方箋の機能が拡張された場合、どこまで対応すれば施設基準を満たすか」
  • 回答は、令和5年1月26日から稼働した基本機能に対応していればよいというもの
  • 基本機能とは、電子処方箋の発行・応需(処方・調剤情報の登録を含む)、処方・調剤情報の閲覧、重複投与・併用禁忌のチェックの3つ
  • 今後の機能拡張に先回りして対応する必要はなく、現行の電子処方箋運用で算定要件を満たせることが確認された

何が問われたのか

電子的調剤情報連携体制整備加算(8点・月1回)は、令和8年度改定で旧・医療DX推進体制整備加算から名称変更・8点一本化された加算です。その施設基準には「電子処方箋を受け付け、当該電子処方箋により調剤する体制を有する」ことが求められています。

ここで現場が気にしていたのが、電子処方箋の機能拡張です。電子処方箋管理サービスは段階的に機能が追加されており、リフィル処方箋の電子化、院内処方情報の登録、電子版お薬手帳との連携など、稼働当初にはなかった機能が順次広がっています。「これらの拡張機能にすべて対応していないと施設基準を満たさないのか」という不安が、届出を控える薬局から上がっていました。

疑義解釈その6の回答(原文)

【電子的調剤情報連携体制整備加算】(その7 別添5による訂正後)
問1 電子的調剤情報連携体制整備加算の施設基準において、「電子処方箋を受け付け、当該電子処方箋により調剤する体制を有する」こととされているが、電子処方箋の機能が拡張された場合について、どのように考えればよいか。
(答)現時点では、令和5年1月26日から稼働した基本機能(電子処方箋の発行・応需(処方・調剤情報の登録を含む。)、処方・調剤情報の閲覧、重複投与・併用禁忌のチェック)に対応した電子処方箋を発行受け付けることができる体制を有していればよい。

出典:厚生労働省保険局医療課事務連絡(令和8年5月22日)「疑義解釈資料の送付について(その6)」別添3 問1、および(令和8年5月29日)「疑義解釈資料の送付について(その7)」別添5(その6 問1の訂正)

その7(5月29日)で文言が訂正されました

当初その6では回答末尾が「電子処方箋を発行できる体制を有していればよい」とされていましたが、その7 別添5で「電子処方箋を発行受け付けることができる体制を有していればよい」に訂正されました。薬局は処方箋を「発行」する立場ではなく「受け付ける」立場であることを踏まえた文言整理であり、求められる対応水準(基本機能への対応で足りる)に実質的な変更はありません。

この回答が意味すること

ポイントは「現時点では基本機能で足りる」と明言された点です。施設基準が求めるのは、令和5年1月26日の本格運用開始時点で稼働していた3つの基本機能への対応であり、その後追加された拡張機能まで網羅する必要はありません。

つまり、すでに電子処方箋を導入し、通常どおり受付・調剤・調剤結果の登録を行っている薬局であれば、新たな機能対応を待たずに施設基準を満たせます。これから機能が拡張されても、その都度システムを追いかけて整備し直す義務が直ちに生じるわけではない、という安心材料になります。

「基本機能」の3要素を整理

施設基準で求められる電子処方箋の基本機能は、次の3つです。

  • 電子処方箋の発行・応需(処方・調剤情報の登録を含む)
  • 処方・調剤情報の閲覧
  • 重複投与・併用禁忌のチェック

これらは令和5年1月26日の電子処方箋本格運用開始時から稼働している標準機能です。日常的に電子処方箋を応需している薬局であれば、通常はすでに満たしている内容です。

あわせて、同日の疑義解釈その6では医科側の電子的診療情報連携体制整備加算(別添1 問4)でも同趣旨の回答が示されています。電子処方箋の機能拡張への対応は、現時点では基本機能で足りるという整理が、医科・調剤の双方で統一されています。

加算の基本情報(おさらい)

項目 内容
名称 電子的調剤情報連携体制整備加算(旧・医療DX推進体制整備加算)
点数 8点
算定頻度 月1回
区分番号 00 注14
マイナ保険証利用率 一律30%以上(算定月の3か月前の実績で判定)
届出 令和8年5月31日時点で旧加算を算定している薬局は、改めての届出不要
実務上のチェックポイント

疑義解釈その6で電子処方箋まわりの不安は解消されましたが、施設基準には電子処方箋対応のほかにも、オンライン資格確認体制、電磁的な薬歴管理、医療DX推進体制の掲示、サイバーセキュリティ対策、そしてマイナ保険証利用率30%以上といった複数の要件があります。電子処方箋の機能だけで届出が完結するわけではない点には引き続き注意が必要です。特に利用率は季節変動で一時的に下振れするため、40%程度の余裕を持った運用が安全です。


本記事は令和8年度(2026年度)調剤報酬改定および疑義解釈その6(令和8年5月22日付事務連絡)に基づき作成しています。
出典:厚生労働省保険局医療課事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その6)」別添1(医科)問4・別添3(調剤)問1、令和8年3月5日 保医発0305第6号・第8号、調剤報酬点数表。最新の情報は厚生労働省および地方厚生局のウェブサイトで必ず確認してください。

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