【2026年度調剤報酬改定】バイオ後続品調剤体制加算

区分番号:00 注7|処方箋の受付1回につき

バイオ後続品調剤体制加算

この改定の要点

  • 旧・後発医薬品調剤体制加算(1~3)は廃止→地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合
  • 注7にバイオ後続品調剤体制加算(50点)を新設 新設
  • バイオ後続品(インスリン製剤を除く)を調剤した場合に算定
  • 特別調剤基本料Aの薬局は100分の10で算定
  • 必須要件は「適切な保管」「適切な説明体制」「内側・外側への掲示」
  • 使用実績要件(80%以上の成分が60%以上)は努力目標(望ましい)であり、実績がなくても届出可能
  • 届出は初回のみ(様式87の3の7)。ただし毎年8月1日現在の定例報告が必要

点数一覧

区分 点数(R8) 改定前(R6) 増減
バイオ後続品調剤体制加算 50点 ― 新設

改定前後の比較

項目 改定前(R6) 改定後(R8)
後発医薬品調剤体制加算1 21点 廃止→地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合 変更
後発医薬品調剤体制加算2 28点 同上 変更
後発医薬品調剤体制加算3 30点 同上 変更
バイオ後続品調剤体制加算 ― 50点 新設
後発医薬品(ジェネリック医薬品)の調剤体制に関する評価は地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されました。新たにバイオ後続品(バイオシミラー)の調剤を個別に評価する加算が設けられ、バイオ後続品の使用促進を図る方向性です。

施設基準

📌 必須要件(告示)

バイオ医薬品の適切な保管及び患者への適切な説明が可能であり、バイオ後続品の調剤を行うにつき必要な体制が整備されていること。

📌 必須要件(通知)

項目 内容 必須/努力目標
(1) 使用実績要件 当該保険薬局において調剤したバイオ後続品のあるバイオ医薬品の規格単位数量及びバイオ後続品の規格単位数量について、成分ごとに合算し、これに占めるバイオ後続品の規格単位数量の割合が80%以上となる成分の数が、当該保険薬局において調剤実績のあるバイオ医薬品の成分数の60%以上であること 努力目標(望ましい)
(2) 掲示要件 バイオ後続品の調剤を積極的に行っている旨を、当該保険薬局の内側及び外側の見えやすい場所に掲示すること 必須
施設基準(1)の使用実績要件は「望ましい」という努力目標であり、必須要件ではありません。そのため、調剤実績がない薬局でも届出は可能です。
必須として押さえるべきは、①バイオ医薬品の適切な保管、②患者への適切な説明が可能な体制、③バイオ後続品の調剤を積極的に行う旨の薬局内外への掲示の3点です。
実務上のポイント
  • 新規開設薬局や、バイオ医薬品の調剤実績が少ない薬局でも届出は可能
  • 掲示は内側(待合室など患者が見る場所)と外側(薬局入口・店頭など)の両方に必要
  • 掲示内容は「バイオ後続品の調剤を積極的に行っている旨」を明示すること
  • 使用実績の積み上げは、長期的な視点で取り組めば良い

算定要件(原文)

注7 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局(注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局を除く。)において、保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号。以下「薬担規則」という。)第7条の2第2号に規定するバイオ後続品(インスリン製剤を除く。)を調剤した場合には、バイオ後続品調剤体制加算として、50点(特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において調剤した場合には、100分の10に相当する点数)を所定点数に加算する。

出典:令和8年3月5日 厚生労働省告示 調剤報酬点数表

インスリン製剤の除外

バイオ後続品調剤体制加算の対象となるバイオ後続品からはインスリン製剤が除外されています。インスリンのバイオ後続品を調剤した場合は本加算を算定できません。


対象となるバイオ医薬品の種類

厚生労働省の届出書添付書類(様式40の3の2)に記載されているバイオ医薬品は以下の20成分です。これらに対応するバイオ後続品の使用が、施設基準の使用実績として評価されます。

主要なバイオ医薬品(20成分)

分類 成分名 主な用途 対象
造血因子 エポエチン 腎性貧血等 ○
造血因子 ダルベポエチン 腎性貧血等 ○
造血因子 フィルグラスチム がん化学療法による好中球減少症 ○
持続型造血因子 ペグフィルグラスチム がん化学療法による発熱性好中球減少症 ○
抗悪性腫瘍剤(抗体医薬) リツキシマブ 悪性リンパ腫等 ○
抗悪性腫瘍剤(抗体医薬) トラスツズマブ HER2陽性乳がん・胃がん ○
抗悪性腫瘍剤(抗体医薬) ベバシズマブ 結腸・直腸がん、肺がん等 ○
抗TNFα抗体製剤(自己免疫疾患) インフリキシマブ 関節リウマチ、クローン病等 ○
抗TNFα抗体製剤(自己免疫疾患) エタネルセプト 関節リウマチ、若年性特発性関節炎 ○
抗TNFα抗体製剤(自己免疫疾患) アダリムマブ 関節リウマチ、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎等 ○
抗IL-6受容体抗体 トシリズマブ 関節リウマチ、キャッスルマン病等 ○
抗IL-12/23抗体 ウステキヌマブ 乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎 ○
抗VEGF薬(眼科) ラニビズマブ 加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫等 ○
抗VEGF薬(眼科) アフリベルセプト 加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫等 ○
骨粗鬆症治療薬 テリパラチド 骨折危険性の高い骨粗鬆症 ○
成長ホルモン ソマトロピン 成長ホルモン分泌不全性低身長症等 ○
酵素補充療法 アガルシダーゼベータ ファブリー病 ○
インスリン製剤(対象外) インスリングラルギン 糖尿病 ×
インスリン製剤(対象外) インスリンリスプロ 糖尿病 ×
インスリン製剤(対象外) インスリンアスパルト 糖尿病 ×
20成分のうち17成分がバイオ後続品調剤体制加算の対象です。インスリン製剤3成分(グラルギン・リスプロ・アスパルト)は告示で明確に除外されているため、これらのバイオ後続品を調剤しても本加算は算定できません。
使用実績の判定方法

施設基準の使用実績は、以下の方法で判定します。

  • 当該保険薬局で調剤した先行バイオ医薬品及びバイオ後続品の規格単位数量の合計が50以上の成分のみを判定対象とする
  • 各成分について、規格単位数量に占めるバイオ後続品の割合が80%以上かを確認
  • 80%以上となる成分の数が、調剤実績のあるバイオ医薬品の成分数の60%以上であることが望ましい(努力目標)
  • 「規格単位数量」とは、使用薬剤の薬価(薬価基準)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量

出典補足:「規格単位数量50以上の成分のみが判定対象」「成分数60%以上が望ましい」という具体的な判定方法は、告示・留意事項通知の本文ではなく、厚生労働省「届出書添付書類 様式40の3の2」(バイオ後続品使用体制加算の施設基準に係る届出書添付書類)の記載要領及び別紙1の注記に基づきます。実務での確認は、最新の様式PDFと記載要領を必ず参照してください。

判定期間

直近1年間の使用状況で判定します(届出書には開始年月~終了年月を記入)。


届出・定例報告

届出スケジュール

タイミング 必要な対応 様式
初回(算定開始時) 新規届出 様式87の3の7
毎年8月1日現在 定例報告(施設基準届出状況の報告) 別紙様式3
施設基準を満たさなくなった場合 変更届 所定様式
算定中止時 廃止届 所定様式

1. 新規届出(初回のみ)

  • 様式:様式87の3の7(バイオ後続品調剤体制加算の施設基準に係る届出書)
  • 提出先:地方厚生(支)局
  • タイミング:算定開始月の前月15日まで
  • 根拠通知:「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日 保医発0305第8号)

2. 定例報告(毎年8月1日基準)

定例報告とは

「定例報告」とは、毎年8月1日現在で施設基準の届出状況および要件の適合性を確認し、その結果を報告する制度です。提出する主要書類は「保険薬局における施設基準届出状況報告書」(別紙様式3)です。

提出書類
書類名 様式 提出条件
保険薬局における施設基準届出状況報告書 別紙様式3 必ず提出が必要
施設基準の届出の確認について 別添3-2 要件を満たさない場合のみ
定例報告の概要
  • 対象:すべての保険薬局(休止中を除く)
  • 基準日:毎年8月1日現在
  • 提出時期:毎年8月下旬~9月上旬(地方厚生局によって異なる)
     例:関東信越厚生局・北海道厚生局は令和7年度8月29日、東北厚生局は9月1日など
  • 根拠通知:「特掲診療料の施設基準及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0305第6号)
定例報告と自己点検の関係

定例報告の前に、自己点検として届け出ている各施設基準について要件を満たしているかを確認します。その結果に基づいて別紙様式3を作成・提出します。

所在地厚生局の確認を

所属する地方厚生(支)局のウェブサイトで毎年7月~8月に「定例報告について」のページが更新されます。提出期限・記入様式の最新版は必ずご自身の管轄局のページで確認してください。

3. 変更届・廃止届(必要時のみ)

ケース 対応
施設基準を満たさなくなった 変更届の提出
加算区分が変更された 変更届の提出
算定を中止する 廃止届の提出

定例報告で継続的に確認が必要な項目

項目 確認内容
適切な保管 バイオ医薬品の温度管理等が継続されているか
適切な説明体制 患者への説明体制が機能しているか
内側・外側の掲示 「バイオ後続品の調剤を積極的に行う」旨の掲示が継続されているか
実務上の注意:定例報告未提出は減算対象となる場合があります。年1回の定例報告は忘れずに行いましょう。所属する地方厚生(支)局のウェブサイトを定期的に確認することをお勧めします。

本記事は令和8年度(2026年度)調剤報酬改定の情報に基づき作成しています。
出典:
・「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日 保医発0305第8号)
・「調剤報酬点数表に関する事項」(令和8年3月5日 保医発0305第6号)
・厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
・地方厚生(支)局「施設基準等の届出状況報告(8月定例報告)」

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