【Q】セレコックスの皮疹がどの位の期間で発現するか?ある程度の指標が知りたい。

【A】セレコックスによる皮疹はPMDAによる医薬品副作用データベースを確認したところ、21件の報告があり、服薬当日から12日後までの2週間以内での発現が非常に多いと考えられる。中毒性表皮壊死融解症やStevens-Johnson症候群などは投与開始後1ヶ月以内に発現している。

 

副作用
0.1〜1%未満
そう痒症、顔面浮腫、紅斑性皮疹、湿疹、蕁麻疹、薬疹
本剤の投与により、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)等の重篤で場合によっては致命的な皮膚症状が発現するおそれがあり、多くの場合、これらの事象は投与開始後1カ月以内に発現しているので、治療初期には特に注意すること。(アステラス製薬株式会社 セレコックス錠100mg/セレコックス錠200mg 添付文書)

→薬疹に関する副作用は0.1%〜1%未満で、毒性表皮壊死融解症(TEN)や皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)などは投与開始後1ヶ月以内に出現しています。

国内臨床試験において、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)の報告はないが、関節リウマチ患者及び変形性関節症患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験3試験(本剤100~200mgを1日2回投与)において、皮膚・皮膚付属器障害の副作用発現率はプラセボと比較して高かった(本剤投与群:6.5%、プラセボ投与群:2.2%)。また、2005年6月20~23日に開催されたCHMP(Committee for Medicinal Products for Human Use:欧州医薬品委員会)において、本剤を含む選択的COX-2阻害剤投与により重篤な皮膚症状が起こると公表された。これらの重篤な皮膚症状(SCAR:Severe Cutaneous Adverse Drug Reactions)は主に投与開始後1ヵ月以内に発現していることから設定した。発疹、粘膜障害等が認められた場合には直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(アステラス製薬株式会社 セレコックス錠100mg/セレコックス錠200mg 添付文書)

→選択的COX-2阻害剤投与には中毒性表皮壊死融解症(TEN)や皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)などの重篤な皮膚症状に注意が必要だということがわかります。

 

PMDAによる医薬品副作用データベースにて検索を行った。
以下の通り、21件の報告があり、服薬当日から12日後までの2週間以内での発現が非常に多いと考えられる。
※ただし、併用薬がなく、セレコックス錠の単独服薬のみを検索対象者とした。

セレコックス服薬後、皮疹が発生した症例数
期間 : 2007年〜2018年第一半期まで (併用薬がある患者は除く。)
当日→2症例
1日後→2症例
2日後→1症例
3日後→2症例
4日後→0症例
5日後→0症例
6日後→3症例
7日後→0症例
8日後→1症例
9日後→4症例
10日後→3症例
11日後→2症例
(独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用データベース」)

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