【Q】ドキシルは壊死性 or 炎症性抗がん剤のどちらか?血管外漏出時にサビーンは使用可能か?

【質問】血管外漏出時の分類について質問です。ドキソルビシンは壊死性とされていますが、リポソーム化ドキソルビシン  (商品名ドキシル) は炎症性薬剤に分類されています。理由を知りたいです。また、ドキシル漏出時にサビーンを使用することは必要なのでしょうか?

【A】リポソーム化ドキソルビシン  (商品名ドキシル) が「炎症性抗がん剤」に分類されている理由は明らかにされていませんが、血管外漏出時には「壊死性抗がん剤」と同様に注意が必要と考えられます。また、ドキシルの血管外漏出時にサビーン点滴静注の使用は可能と考えられます。

リポソーム化ドキソルビシンとは?
リポソーム化ドキソルビシン (商品名 : ドキシル) はMPEG-DSPEで修飾されたSTEALTHリポソームに、ドキソルビシン塩酸塩が封入された製剤です。
MPEG-DSPE:水溶性の高分子ポリエチレングリコール

ドキソルビシンにリポソームが封入されることにより以下のようなメリットがあります。
・ドキソルビシンの腫瘍組織内滞留時間を延長させ、腫瘍組織内濃度を高める→有効性を改善
・血漿中の遊離…

会員登録をしていただくと全文お読みいただけます。

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】TPN継続による肝機能悪化について機序、対応は?

【質問】TPN継続による肝機能悪化について機序、対応が知りたいです。 【A】高カロリー輸液 (TPN) による肝障害によりASTやALTの上昇がみられることがあります。この発症機序についてはまだ明らかにされていませ...

【Q】NSAIDs同士の併用は可能か?

【質問】セレコックスとロキソニンの併用について質問です。 「NSAIDsの重複は疑義」と同僚に言われたのですが、オキシコンチンとオキノームのように「定期薬(効果のベース)」と「頓服(レスキュー)」といった形で...

【Q】グリベック錠の術前の休薬期間はあるか?

【A】グリベック錠の術前の休薬期間は特にない。 ただし、グリベック錠の副作用として白血球や血小板減少があるため、副作用により休薬する可能性はあります。 骨髄抑制 汎血球減少(1%未満)、白血球減少(35%未...

新着記事

高気圧酸素治療では、貼付剤や軟膏は除去すべきか?

【質問】高気圧酸素治療についてご教示ください。 高気圧酸素治療を受ける際、貼付剤や軟膏などの塗り薬は剥がしたり拭き取ったりした方が良いのか、そのままでも治療を受けて可能なのか、その考え方はMRIと同じ...

レノグラスチム (ノイトロジン) は投与経路によって用量が異なる理由は?

【質問】ノイトロジンの用法用量についてご教示ください。 先天性・特発性好中球減少症の適応は、皮下投与又は静脈内投与のどちらの場合でも2μg/kg1日1回と用量設定が同じですが、他の適応では皮下と静注で体重あ...

吸入補助器具の入手方法と院内での対応について

【質問】吸入器の補助器具の入手方法についてご教示お願いいたします。 サルタノールインヘラーを導入された方が握力が弱くボンベの底を押すことができないことがわかりました。 検索したところそのような場合は...

新着記事をもっと見る