【A】添付文書の重要な基本的注意の項には以下の記載がある。
「患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意すること。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患を合併している患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。 」(ロキソニン®︎IFより抜粋)
NSAIDsの作用機序はシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することにより、血管内皮細胞では血小板凝集抑制および血管拡張作用を有するプロスタグランジンI2(PGI2)の生成を抑制する。これによる胃血流量の低下はNSAIDsによる消化性潰瘍の原因の一つです。
この作用は胃で特異的な作用ではないことから、末梢血管にて同様の作用の血流量の低下が見られれば、冷え症になる可能性は否定できないと考えられます。
冷え性とは異なるが低体温症はNSAIDsの大量の過剰摂取により発症する可能性があると報告されている。(J Med Toxicol. 2007 Jun;3(2):52-5.)