【Q】高カリウム血症治療薬に錠剤やカプセル剤型がない理由は?

【質問】高カリウム血症治療薬に錠剤が存在しないのは何故なのかご存じの方がいらしたらご教授ください。

【A】現在発売されている高カリウム血症治療薬の種類は

  • カリメート(ポリスチレンスルホン酸Ca)
  • ケイキサレート (ポリスチレンスルホン酸Na)
  • ロケルマ (ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物)

の3種類があります。

その中で、高カリウム血症治療薬の剤型として、

  • ドライシロップ剤
  • 散剤
  • 経口液剤
  • ゼリー製剤

があります。

以下の通り、いずれの薬剤も1回の服用量が5〜10gと多く、錠剤やカプセル剤にすると1回服薬数が膨大となるため、錠剤やカプセル剤が存在しないと考えられます。

カリメートドライシロップ92.59%
1日16.2~32.4g (ポリスチレンスルホン酸カルシウムとして1日15~30g)

通常成人1日15〜30gを2〜3回に分け、その1回量を水30〜50mLに懸濁し、経口投与する。

カリメート経口液20%
通常成人1日75〜150g(ポリスチレンスルホン酸カルシウムとして1日15〜30g)を2〜3回に分け、経口投与する。

ポリスチレンスルホン酸Ca「NP」原末
通常成人1日15〜30gを2〜3回にわけ、その1回量を水30〜50mLに懸濁し、経口投与する。

ポリスチレンスルホン酸Ca「フソー」原末
通常成人1日15〜30gを2〜3回にわけ、その1回量を水30〜50mLに懸濁し、経口投与する。

ポリスチレンスルホン酸Ca「杏林」原末
通常成人1日15〜30gを2〜3回にわけ、その1回量を水30〜50mLに懸濁し、経口投与する。

ポリスチレンスルホン酸Ca散96.7%分包5.17g〈ハチ〉
通常成人1日15.51〜31.02g(ポリスチレンスルホン酸カルシウムとして15〜30g)を2〜3回にわけ、その1回量を水30〜50mLを用いて経口投与する。

ポリチレンスルホン酸Ca経口ゼリー20%分包25g「三和」
通常成人1日75〜150g(ポリスチレンスルホン酸カルシウムとして15〜30g)を2〜3回にわけ、経口投与する。

 

ケイキサレートドライシロップ76%
通常、成人1日量30gを2〜3回に分け、その1回量を水50〜150mLに懸濁し、経口投与する。症状に応じて適宜増減。

ケイキサレート散
通常、成人1日量30gを2〜3回に分け、その1回量を水50〜150mLに懸濁し、経口投与する。症状に応じて適宜増減。

ポリスチレンスルホン酸Na「フソー」原末
通常,成人1日量30gを2〜3回に分け,その1回量を水50〜150mLに懸濁し,経口投与する。症状に応じて適宜増減。

 

ロケルマ懸濁用散分包5g, 10g
通常、成人には、開始用量として1回10gを水で懸濁して1日3回、2日間経口投与する。なお、血清カリウム値や患者の状態に応じて、最長3日間まで経口投与できる。以後は、1回5gを水で懸濁して1日1回経口投与する。なお、血清カリウム値や患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1日1回15gまでとする。

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