【Q】Ca値が高値でも使用できる高カリウム血症治療薬は?

【質問】副甲状腺機能亢進症の患者さんが高カリウム血症のためカリメート散を内服していたが、Caが高値となるため中止してもらった。その代わりに内服できるものはケイキサレート散で正しいでしょうか?

【A】カリメート散の成分は「ポリスチレンスルホン酸Ca」であり、Ca2+と腸管内のK+が交換され、そのまま糞便中に排泄されることで、カリウム値を低下させます。カリウムは体外に除去されますが、Caは体内に留まり、Ca値を上昇させる可能性があります。つまり、カリメート散はCa型のポリスチレンスルホン酸樹脂であり、高Ca血症に注意が必要な薬剤です。

一方で、ケイキサレート散の成分は「ポリスチレンスルホン酸Na」であり、Na+とK+が交換されるため、高Ca血症を生じる可能性がほとんどありません。ケイキサレート散はNa型のポリスチレンスルホン酸樹脂に該当する薬剤です。ただし、浮腫や高血圧には注意が必要です。

以上より、高Ca血症のため、カリメート散からケイキサレート散に変更することは、適切であると考えられます。

追記 : 副作用に関して、カリメート散は便秘に注意が必要です。一方で、ケイキサレート散はカリメート散と比較して便秘は少ないですが、下痢の副作用は多いと報告されています。

会員登録をしていただくと全文お読みいただけます。

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】Ca値が高値でも使用できる高カリウム血症治療薬は?

【質問】副甲状腺機能亢進症の患者さんが高カリウム血症のためカリメート散を内服していたが、Caが高値となるため中止してもらった。その代わりに内服できるものはケイキサレート散で正しいでしょうか? 【A】カ...

【Q】タシグナ内服中の患者で腎不全によるK値の増加がみられた。カリメート等の薬剤とタシグナの相互作用はあるか?

【A】タシグナとカリメートの相互作用に関するデータは国内、海外共に存在しませんが、カリメートの吸着作用を考慮すると服用タイミングをずらして内服することが望ましいと考えられます。以下を参考としてくださ...

新着記事

アミオダロンとゾコーバが併用禁忌ではない理由は?

【質問】アミオダロンとパキロビットは併用禁忌ですが、 アミオダロンとゾコーバは併用禁忌ではないのは なぜでしょうか。 【回答】 アミオダロンはパキロビッドとの併用はリスクが明確なため禁忌とされています...

opioid naive患者 に対するフェンタニルパッチの使用は0.5mg規格のみか?

【質問】opioid naive患者 に対するフェンタニルパッチの使用ができるようになったのは低用量0.5mgの1日製剤だけでしょうか?3日製剤は適応外となりますか? 【A】オピオイドナイーブ患者に対してフェンタニル...

PPN製剤をCVポートから投与可能か?

【質問】PPN製剤をCVポートから投与することは可能なのでしょうか? 【A】PPN(末梢静脈栄養法)は通常、末梢静脈から投与されますが、成分や技術的にはCVポート(中心静脈カテーテル)からの投与も可能と考えら...

新着記事をもっと見る