【2026年度調剤報酬改定】服薬管理指導料

区分番号:10の3|処方箋の受付1回につき

この改定の要点

  • かかりつけ薬剤師指導料(76点)・かかりつけ薬剤師包括管理料(291点)が廃止され、服薬管理指導料に統合
  • 「役割ベース」から「実績ベース」の評価に転換し、患者に対する実際の関与に基づいた評価体系へ
  • かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点、3月に1回)を新設
  • かかりつけ薬剤師訪問加算(230点、6月に1回)を新設
  • 情報通信機器を用いた服薬指導(オンライン服薬指導)について、在宅患者への算定を新たに可能に

点数一覧

区分 点数(R8) 改定前(R6)
1 原則3月以内に再度処方箋を持参し手帳を提示した患者 45点 45点
 イ かかりつけ薬剤師が行った場合 45点 新設
 ロ イ以外の場合 45点 新設
2 1以外の患者 59点 59点
 イ かかりつけ薬剤師が行った場合 59点 新設
 ロ イ以外の場合 59点 新設
3 介護老人福祉施設等に入所している患者に訪問して行った場合 45点 45点
4 情報通信機器を用いた服薬指導
 イ 原則3月以内に再度処方箋を提出した患者 45点 45点
 ロ 在宅療養患者であって通院困難なもの 59点 新設
 ハ ロのうち患者の状態の急変等に伴い行った場合 59点 新設
 ニ イからハまで以外の患者 59点 59点

かかりつけ薬剤師指導料の廃止と統合について

令和8年度改定において、従来の「かかりつけ薬剤師指導料」(76点)と「かかりつけ薬剤師包括管理料」(291点)は廃止され、新しい「服薬管理指導料」に統合されました。

評価体系の転換:「役割ベース」→「実績ベース」

従来は薬剤師が「かかりつけ薬剤師」としての役割を担うことの届出に基づいた評価(役割ベース)でしたが、令和8年度からは患者に対する実際の関与度合いに基づいた評価(実績ベース)に転換します。

  • 患者の処方箋提出頻度(3月以内か否か)と手帳の提示に応じた点数設定
  • 特別な環境(施設入所者)や状況(在宅療養者)に応じた加算体系
  • 新たな加算項目による追加評価の充実
手帳の提示に関する重要な注意点

注3の規定により、原則3月以内に再度処方箋を持参した患者(1の患者)であっても、手帳を提示しない場合は2(59点)により算定します。「手帳の提示」は服薬管理指導料1を算定するための必須要件です。

この改定により、薬局が実際に患者に対して行っている服薬管理指導の内容と頻度に対して、より適切な評価が得られるようになります。

かかりつけ薬剤師フォローアップ加算 新設

加算名 点数 算定頻度
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算 50点 3月に1回

服薬管理指導料1のイ又は2のイ(かかりつけ薬剤師が行った場合)を算定している患者であって、以下のいずれかを算定した患者が対象です。

  • 外来服薬支援料1
  • 服用薬剤調整支援料1又は2
  • 調剤時残薬調整加算
  • 薬学的有害事象等防止加算

上記の算定後、かかりつけ薬剤師が電話等により服薬状況・残薬状況等の継続的な確認及び必要な指導等を個別に実施していた場合に、再度処方箋を受け付けたときに算定します。

算定のポイント

この加算は、残薬調整や薬学的介入(有害事象防止等)を行った患者に対する事後フォローを評価するものです。単なる継続患者ではなく、具体的な薬学的介入を行った患者が対象となります。調剤後薬剤管理指導料や在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者には算定できません。


かかりつけ薬剤師訪問加算 新設

加算名 点数 算定頻度
かかりつけ薬剤師訪問加算 230点 6月に1回

服薬管理指導料1のイ又は2のイ(かかりつけ薬剤師が行った場合)を算定している患者に対して、以下の条件で算定できます。

  • 患者又はその家族等の求めに応じて、かかりつけ薬剤師が患家に訪問すること
  • 残薬の整理、服用薬の管理方法の指導等を行うこと
  • その結果を保険医療機関に情報提供すること
算定上の重要な注意点

この加算は、通常は外来通院しているかかりつけ患者に対し、臨時的に自宅へ訪問して残薬整理等を行った場合に算定するものです。在宅患者訪問薬剤管理指導料、外来服薬支援料1の施設連携加算、服薬情報等提供料等を算定している患者には算定できません。定期的な在宅医療(訪問指導)を受けている患者は対象外です。


オンライン服薬指導の在宅患者への拡大 新設

令和8年度改定では、オンライン服薬指導の適用範囲を拡大し、在宅患者への算定が新たに可能になりました。

区分 点数 備考
4 ロ 在宅療養患者であって通院困難なもの 59点 新設
4 ハ ロのうち患者の状態の急変等に伴い行った場合 59点 新設
通院困難な在宅患者に対して、地理的・時間的な制約を緩和しながら継続的な服薬管理指導を実施できるようになります。
算定にあたっての留意点

オンライン服薬指導の実施には、患者の同意が必須です。また、緊急時には対面による対応に切り替える体制整備が必要です。


特定薬剤管理指導加算

服薬管理指導料に加えて、特定の医薬品や患者の状況に応じた加算が設定されています。

加算名 点数 概要
特定薬剤管理指導加算1 抗がん剤や免疫抑制剤等、特に厳密な管理が必要な医薬品を服用している患者への指導(医薬品の種類により点数が異なる)
特定薬剤管理指導加算2 100点 月1回。複数の医療機関から処方された医薬品の相互作用チェック等、総合的な管理が必要な患者が対象
特定薬剤管理指導加算3 後発医薬品(ジェネリック医薬品)やバイオ後続品(バイオシミラー)等の医薬品の選択に関する説明を行った場合(イ:安全管理資料を用いた指導5点、ロ:調剤前の医薬品選択に関する指導10点)

吸入薬指導加算の見直し 変更

項目 改定前(R6) 改定後(R8)
点数 30点 30点(変更なし)
算定間隔 3月に1回 6月に1回 変更
対象患者 喘息・COPD患者に限定 吸入薬の投薬がある全患者に拡大 変更

点数は30点で据え置きですが、対象患者が大幅に拡大されました。

  • 改定前:喘息又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者に限定
  • 改定後:吸入薬の投薬が行われている全患者に拡大(インフルエンザ吸入薬等も対象に)
  • 算定間隔は3月に1回→6月に1回に変更
対象疾患の限定が撤廃され、吸入薬を使用する全患者に指導加算が算定可能になりました。一方、算定間隔は3月に1回から6月に1回に変更されています。

調剤後薬剤管理指導料

区分 点数 対象
1 糖尿病患者に対して行った場合 60点 月1回
2 慢性心不全患者に対して行った場合 60点 月1回

調剤後に以下の業務等の全てを行った場合に算定します。

  • 調剤後に当該薬剤の服用状況、副作用の有無等について患者又はその家族等へ電話等により確認(調剤と同日は除く)
  • 必要な指導等を継続して実施
  • 処方医へ必要な情報を文書により提供

算定要件(原文)

区分番号10の3 服薬管理指導料(処方箋の受付1回につき)

1 原則3月以内に再度処方箋を持参し手帳を提示した患者に対して行った場合
  イ かかりつけ薬剤師が行った場合  45点
  ロ イ以外の場合  45点
2 1の患者以外の患者に対して行った場合
  イ かかりつけ薬剤師が行った場合  59点
  ロ イ以外の場合  59点
3 介護老人福祉施設等に入所している患者に訪問して行った場合  45点

注3 1の患者であって手帳を提示しないものに対して、必要な指導等を行った場合は、2により算定する。
4 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合
  イ 原則3月以内に再度処方箋を提出した患者に対して行った場合  45点
  ロ 在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して行った場合  59点
  ハ ロのうち、患者の状態の急変等に伴い行った場合  59点
  ニ イからハまで以外の場合  59点

出典:令和8年3月5日 厚生労働省告示 調剤報酬点数表


過去の関連する疑義解釈

令和4年度疑義解釈:かかりつけ薬剤師の同意取得手続き

患者に対してかかりつけ薬剤師としての役割を担う旨を明示し、書面等により同意を得ることが必要とされていました。同意取得は薬局の重要な義務です。

令和4年度疑義解釈:不在時の取扱い

かかりつけ薬剤師が不在の場合、他の薬剤師が指導を行う際の対応方法が明確化されました。ただし、継続性を保つため、不在時の補職者についても事前に患者に説明することが推奨されています。

令和6年度疑義解釈:「3月以内」の考え方

「原則3月以内に再度処方箋を提出した患者」の定義が明確化されました。

  • 直近の処方箋提出日から起算して3月以内(91日以内)に次の処方箋が提出された場合
  • 同一の薬局で継続的に指導を受けていることが前提
  • 処方箋の提出記録により確認できることが必須

本記事は令和8年度(2026年度)調剤報酬改定の情報に基づき作成しています。
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」

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