【Q】界面活性剤が粘膜に与える影響の機序は?

【質問】界面活性剤が粘膜に与える影響の機序がわかれば教えていただきたいです。

【A】界面活性剤の殺菌作用機序は「陰イオンを帯びている細菌に陽イオンの界面活性剤が吸着されて、細菌の表面に集積、蛋白を変性させる」ことです。

つまり、界面活性剤の作用は「陽イオンによる細胞膜の損傷、酵素タンパクの不活性化・変性凝固」であり、粘膜においても同様に細胞が破壊されることにより、粘膜に対する悪影響が生じます。

具体的には、粘膜細胞が破壊され、「消化管出血・麻痺性イレウス、循環血液量減少・血管透過性亢進による肺水腫・心機能低下」などが生じる可能性があります。

また、口腔粘膜においては、界面活性剤により、唾液の口腔内の組織保護能が低下し、口腔内組織が破壊される可能性があります。

実臨床において、界面活性剤による口腔粘膜腐食、多発小腸潰瘍・穿孔の症例報告がされています。
(高濃度塩化ベンゼトニウム液による口腔粘膜腐食の一例 POMS  Vol.5 , 76-79, 1995)
(界面活性剤大量内服後に多発小腸潰瘍・穿孔を来した1例 JJAAM Vol.18 202-207, 2007)

会員登録をしていただくと全文お読みいただけます。

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】界面活性剤が粘膜に与える影響の機序は?

【質問】界面活性剤が粘膜に与える影響の機序がわかれば教えていただきたいです。 【A】界面活性剤の殺菌作用機序は「陰イオンを帯びている細菌に陽イオンの界面活性剤が吸着されて、細菌の表面に集積、蛋白を変...

新着記事

帯状疱疹のワクチンは神経痛が残っている場合でも打ってもいいか?

【質問】帯状疱疹のワクチンを打つのに発疹ある急性期はダメなのは分かるのですが、神経痛が残っている場合でも打たない方が良いのでしょうか? タイミングが分からなくて困ってます 【A】帯状疱疹の発疹が治まっ...

フェンタニル貼付剤を半割した際に、剥離予防のためテガダーム等で覆うことを避ける理由は?

【質問】フェンタニル貼付剤の半量使用の方法について教えてください。 採用都合で急遽フェンタニル貼付剤の半量投与が必要になり色々検索をしました。 ① 先にドレッシング剤を貼る ② フェンタニル貼付剤本体を外...

がん化学療法施行時の検査の提案について

【質問】がん化学療法施行時の検査状況について教えてください。 分子標的治療薬で蛋白尿の副作用が報告されている薬剤を投与するとき、これまでの施設では投与前には毎回尿検査を実施していましたが、転職した施...

新着記事をもっと見る