透析による除去効率を考慮したラコサミドの投与方法は?

【質問】ラコサミドの透析時の用量について。

「血液透析を受けている末期腎機能障害患者さんには、成人は1日最高用量を300mg、小児は1日最高用量を25%減量とするなど慎重に投与してください。また、血液透析を受けている患者さんでは、1日用量に加えて、血液透析後に最大で1回用量の半量の追加投与を考慮してください。血液透析を受けている末期腎機能障害の成人被験者に、非透析時及び透析開始2.5時間前にラコサミド100mgを単回経口投与したとき、非透析時に比べ4時間の透析実施時ではラコサミドのAUC0-tは46%減少し、透析による除去効率はラコサミド57%、O‒脱メチル体53%であり、透析クリアランスはラコサミド140mL/min(8.40L/h)、O‒ 脱メチル体149mL/min(8.94L/h)でした(外国人データ)。」

とありますが、

例えば、透析後次の内服タイミングまでの間隔が短い場合(例えば透析の時間帯が午後で、終了後に夕分の内服時間が直ぐの場合)は追加の内服はしなくても大丈夫でしょうか、それとも通常の1回分に追加して半量を一緒に服用(1.5回分を服用)すべきでしょうか。『追加投与を考慮してください』との記載のため、時間帯によっては必須ではないような印象を受けたのですが、他の先生方はどのように解釈されるか、実際にはどのような対応をされていらっしゃるのか(透析終了後次の内服までの時間が何時間空いている場合は服用させている、等)、ご教示頂けると幸いです。よろしくお願い致します。

【A】上記の「追加投与を考慮してください」という記載は、臨床判断の余地を残していることを示唆しています。透析後のラコサミドの血中濃度が低下するための追加投与の必要性を示している一方で、必ずしも追加投与する必要があるわけではありません。

具体的な投与の判断には、以下を考慮する必要があります:

  1. 患者の具体的な状況:透析前後でのてんかん発作の頻度の頻度の評価を行う。透析後の発作が増加している場合は、ラコサミドも血中濃度が低下している可能性がある。ラコサミドはTDMの施行は一般的ではないが、発作性心房細動・徐脈頻脈症候群の副作用発現の報告 (アプライド・セラピューティクス 2021 Vol. 16 Pages 44-52)もあり、TDMの活用についても望ましいとされる
  1. 透析終了から次の内服までの間隔 : 【非透析時及び透析開始2.5時間前にラコサミド100mgを単回経口投与したとき、非透析時に比べ4時間の透析実施時ではラコサミドのAUC0-tは46%減少し、透析による除去効率はラコサミド57%】と記載されており、これを参考とする。透析が終了した直後から次の内服までの時間が短い場合、追加の投与が不要の可能性もある。一方で透析が終わった後の時間が長い場合、血中濃度が低下するリスクが高まるため、追加の投与を検討する必要があるかもしれまない。
  2. 副作用のリスク : 伝導障害や重度の心疾患(心筋梗塞又は心不全等)の既往のある患者、ナトリウムチャネル異常(ブルガダ症候群等)のある患者本剤のPR間隔延長作用により房室ブロック等が発現する可能性がある。これらのリスクが高い患者には通常の1回分に追加して半量を一緒に服用することは注意が必要である。

以上より具体的な投与量やタイミングの判断については、個々の患者の状況に応じて行う必要があります。

このような場面での臨床判断は、その状況や医師の経験則に基づいて行われることが一般的と考えられます。医師とでディスカッションを行い、最善の対応をするのが良いと思われます。

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