【Q】ループ利尿薬の換算・使い分けは?

【コメント】フロセミド (ラシックス)は持続時間は短いが高血圧などの適応症が多く、急性期に使いやすい。アゾセミド (ダイアート) は持続時間が長く、うっ血性心不全群に対してフロセミドよりも優れているとのデータがあるため慢性期に使いやすいと思われる。
以下、詳細を記載する。

 

ループ系利尿薬とは?

ループ系利尿薬には『ラシックス』(成分名:フロセミド)、『ルプラック』(成分名:トラセミド)、『ダイアート』(成分名:アゾセミド)が代表的な薬剤として挙げられます。
ループ系利尿剤の作用機序はヘンレループ上行脚のNa-K-2Cl共輸送体を阻害し、Na+の再吸収を抑制します。強力な利尿作用をもちますが抵抗性(利尿作用の効果が効きづらくなる)を生じやすいと言われています。

また尿中へのCa排泄を増加させるため、高Ca血症の改善に有用ですが、低Ca血症に注意が必要です。

 

ループ利尿薬の各薬剤の特徴

作用時間の違いから持続型ループ利尿薬、短時間作用型ループ利尿薬に分類されます。

ラシックス(成分名:フロセミド) ‥短時間作用型ループ利尿薬 (作用時間6時間) ルプラック(成分名:トラセミド)‥(作…

会員登録をしていただくと全文お読みいただけます。

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】アミオダロン注からアミオダロン錠への切り替え換算は?

【A】 添付文書には、注射から経口への切り替えに関しては以下の記載のみ。 不整脈停止後は心電図の連続監視下で患者の状態を十分に観察しながら徐々に経口剤に切り替える等の方法で、出来るだけ速やかに経口投与...

【Q】ビソプロロールフマル酸塩錠 (メインテート錠など) からビソプロロールテープ剤 (ビソノテープ) への切り替えの換算比は?

【A】換算比 ビソノテープ : ビソプロロールフマル酸塩錠 = 8 : 5 ビソノテープの添付文書「臨床成績」によれば、頻脈性心房細動を対象とした第Ⅲ相検証試験 (二重盲検並行群間比較試験) において、ビソプロロー...

【Q】向精神薬の等価換算値は代替薬の選択の参考にして良いか

【質問】抗うつ薬のイミプラミン換算、ベンゾジアゼピン系のジアゼパム換算、抗精神病薬のクロルプロマジン換算、抗パーキンソン病薬のビペリデン換算が等価換算値として日本精神科評価尺度研究会により定められ...

新着記事

尿路感染症治療中におけるSGLT2阻害薬の継続可否は?

【質問】UTI治療中の場合にDMで内服中のSGLT2阻害薬は中止することを確認すべきでしょうか。 UTIの重症度やDMのコントロールの状況にもよると思うのですが、違う意見もあり、他のご施設ではどのように対応されて...

バゼドキシフェンの飲み忘れ時対応における「次回服用時間が近い場合」の対応は?

【質問】 バゼドキシフェンの飲み忘れ対応について、「決して2回分を一度に飲まないでください。気がついた時に、1回分を飲んでください」とありますが、多くの薬剤に記載のある「次回服用時間が近ければ飲み忘...

インスリン注射のペン残量不足時に2本併用するのは可能か?

【質問】インスリン注射を使用する際、2本を使用して単位数を満たしてもよいか。 例えば20単位を1本は5単位、もう1本は15単位で注射する場合などはどうか。 【回答】ペン型インスリンで必要単位量に残量が満たな...

新着記事をもっと見る