【2026年度調剤報酬改定】服用薬剤調整支援料

区分番号:14の3|月1回(支援料2は6月に1回)

服用薬剤調整支援料

この改定の要点

  • 服用薬剤調整支援料1(125点)は点数変更なし。告示本文の文言整理あり(ただし通知では従来の取扱いが一部残るため注意)
  • 服用薬剤調整支援料2が大幅見直し:旧イ110点/ロ90点 → 1,000点に引上げ
  • 支援料2は「かかりつけ薬剤師」(総合的な管理・評価に必要な研修を受けたもの)による実施が必須に
  • 支援料2の施設基準(イ/ロの区分)を廃止し一本化
  • 支援料2の算定頻度:3月に1回 → 6月に1回、かかりつけ薬剤師1人につき月4回まで

点数一覧

区分 点数(R8) 改定前(R6) 増減
服用薬剤調整支援料1 125点 125点 ±0
服用薬剤調整支援料2 1,000点 イ 110点 / ロ 90点 大幅引上げ

改定前後の比較

項目 改定前(R6) 改定後(R8)
支援料1
点数 125点 125点(変更なし)
対象 6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く) 6種類以上の内服薬 変更
算定頻度 月1回 月1回(変更なし)
支援料2
点数 イ 110点 / ロ 90点 1,000点 変更
施設基準 イ(基準あり)/ ロ(なし)の2区分 廃止(一本化) 変更
算定頻度 3月に1回 6月に1回 変更
実施者 保険薬剤師 かかりつけ薬剤師(研修受講要件あり) 変更
算定上限 かかりつけ薬剤師1人につき月4回まで 新設
支援料2は点数が約10倍に引き上げられましたが、かかりつけ薬剤師(研修受講済み)による実施が必須となり、算定間隔も6月に1回に延長されています。質の高い薬物療法の適正化支援を重点的に評価する方向性です。

服用薬剤調整支援料1の概要(125点)

6種類以上の内服薬が処方されていた患者について、処方医に対して保険薬剤師が文書を用いて提案し、当該患者に調剤する内服薬が2種類以上減少した場合に月1回に限り算定します。

改定のポイント

  • 点数は125点で据え置き
  • 告示本文の文言の整理が行われたが、通知レベルでは従来の取扱いが残る部分もあるため注意
「内服薬」の数え方(通知の取扱いが残るもの)

告示本文の改定にかかわらず、通知(留意事項通知)では以下の取扱いが継続されています。

  • 屯服薬は内服薬の種類数に含めない
  • 服用開始4週間以内の薬剤は調整前の内服薬種類数から除外
  • 配合剤の取扱いは従来通り
  • 内服薬以外(外用薬・注射薬等)への変更は対象外

このため、「対象内服薬の範囲が無条件に拡大した」という解釈は不正確です。実務上は通知の取扱いを必ず確認してください。

算定のポイント

内服薬が2種類以上減少した「結果」に対して算定する成果報酬型の点数です。提案のみでは算定できず、実際に減薬が実現していることが必要です。


服用薬剤調整支援料2の見直し(1,000点) 変更

複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬が処方されている患者について、かかりつけ薬剤師が服用中の薬剤を継続的・一元的に把握し、薬剤の調整を必要と認める場合に、必要な評価等を実施した上で処方医に文書を用いて提案した場合に算定します。

算定要件の主な変更点

要件 改定前(R6) 改定後(R8)
実施者 保険薬剤師 かかりつけ薬剤師(総合的な管理及び評価を行うために必要な研修を受けたものに限る)
把握方法 一元的に把握 継続的及び一元的に把握
提案内容 重複投薬等の解消に係る提案 薬剤の調整について提案(より広範)
前提条件 重複投薬等が確認された場合 服用中の薬剤の調整を必要と認める場合であって、必要な評価等を実施した上で
支援料2の大幅見直しの意義

改定前は「重複投薬等の解消」という限定的な目的でしたが、改定後は薬物療法全体の適正化を目的とした総合的な評価に拡大されています。点数の大幅引上げ(110点/90点→1,000点)は、かかりつけ薬剤師による質の高い薬物療法の評価・支援を重点的に評価するものです。

支援料2の具体的な実施事項(留意事項通知)

かかりつけ薬剤師は、薬物療法を最適化するために以下の事項を実施する必要があります。

区分 内容
薬物治療に関する患者又はその家族等からの主観的情報の聴取
検査値等の薬物治療に必要な客観的情報の収集
服薬支援に必要な患者の生活状況及び意向に関する情報の聴取
各服用薬剤がもたらす治療効果及び有害事象の評価
解決すべき薬剤関連問題の特定及び整理
服用薬剤調整後の観察計画及び対応案の立案
これは「薬物療法を最適化するサイクル」(関連情報の入手→現在の治療の評価→MRP/DRPの特定→他の治療選択肢の評価→推奨案の提示→アウトカムのモニター)を実践する取組として位置付けられています。MRP/DRPは「薬物関連問題」(Medication Related Problem / Drug Related Problem)の総称です。

服用薬剤総合評価の結果伝達(留意事項通知ク) 5/1訂正で追加

令和8年5月1日付の訂正通知で、服用薬剤総合評価の実施にあたっては、次に掲げる事項等を患者又はその家族等に対して結果として伝達することが明記されました。ただし、結果の伝達は一律の内容ではなく、患者若しくはその家族等又は医療従事者との関係性等を踏まえて内容を適宜変更することとされています。

区分 伝達事項
(イ) 患者への聞き取り等により確認した内容
(ロ) 薬物有害事象であると疑われる症状
(ハ) 服薬の状況(薬剤の管理状況等も含む)
(ニ) 医療従事者と共有する内容
(ホ) 今後生活を送る上での注意点
結果伝達の重要性

服用薬剤調整支援料2は、単に処方医へ提案するだけでなく、患者又はその家族等への結果伝達まで含めた一連の取り組みを評価するものです。患者・家族の理解度や医療従事者との関係性に応じて、伝達内容を個別に調整することが求められます。

適用日

支援料2の新点数(1,000点)の見直しは令和9年6月1日から適用されます。
令和8年6月1日~令和9年5月31日の期間は支援料2は算定不可とされており、実質的に令和9年6月以降の新加算として運用される形になります。


算定要件(原文)

区分番号14の3 服用薬剤調整支援料

1 服用薬剤調整支援料1  125点
2 服用薬剤調整支援料2  1,000点

注1 1については、6種類以上の内服薬が処方されていたものについて、処方医に対して、保険薬剤師が文書を用いて提案し、当該患者に調剤する内服薬が2種類以上減少した場合に、月1回に限り所定点数を算定する。ただし、調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。

注2 2については、複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬が処方されている患者について、患者又はその家族等の求めに応じ、かかりつけ薬剤師(患者の服薬状況等に係る総合的な管理及び評価を行うために必要な研修を受けたものに限る。)が、当該患者の服用中の薬剤を継続的及び一元的に把握した結果、服用中の薬剤の調整を必要と認める場合であって、必要な評価等を実施した上で、処方医に対して、当該調整について文書を用いて提案した場合には、同一の患者に対して6月に1回に限り、かかりつけ薬剤師1人につき月4回まで所定点数を算定する。ただし、調剤基本料の注2に規定する別に厚生労働大臣が定める保険薬局においては、算定できない。

注3 2については、特別調剤基本料Aを算定する保険薬局において、別に厚生労働大臣が定める保険医療機関への情報提供を行った場合は、算定できない。

出典:令和8年3月5日 厚生労働省告示 調剤報酬点数表


過去の関連する疑義解釈

令和6年度疑義解釈:「2種類以上減少」の考え方

質問:服用薬剤調整支援料1において、内服薬が2種類以上減少した場合とは、どの時点で判断するのか。

回答:処方医への提案後に交付された処方箋に基づき調剤した結果、提案前と比較して内服薬が2種類以上減少していることを確認した時点で算定します。一時的な減少ではなく、その状態が4週間以上継続することが見込まれる必要があります。

令和6年度疑義解釈:複数医療機関からの処方の数え方

質問:服用薬剤調整支援料2における「複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬が処方されている」とは、各医療機関の処方を合算して6種類以上であればよいか。

回答:はい、複数の保険医療機関から処方されている内服薬を合算して6種類以上であれば算定の対象となります。

本記事は令和8年度(2026年度)調剤報酬改定の情報に基づき作成しています。
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」

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