【A】国内においてトラネキサム酸を使用することにより心筋梗塞、脳梗塞などの血栓症が誘発された症例報告がある。海外においても同様に、血栓と脳虚血の合併症の頻度を増大させると報告があるが、血栓を形成しないとの報告もあり、明らかにされていない。
トラネキサム酸が血栓症を誘発したと考えられる症例
1. 出血性疾患に対してトラネキサム酸を使用後に静脈血栓塞栓症を発症した2症例 (心臓Vol.45 No.7(2013))
2. 上部消化管出血に対するトラネキサム酸使用が誘因となり膝窩動脈血栓症を発症したと推測された1例(JJAAM, 14 No.11, 748-752 14 (2003))
慎重投与
血栓のある患者(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)及び血栓症があらわれるおそれのある患者[血栓を安定化するおそれがある。] (第一三共株式会社トランサミン錠250mg,500mg,カプセル250mg,散50%,シロップ5% 添付文書)外国ではトラネキサム酸は血栓と脳虚血の合併症の頻度を増大させるとの報告があるが、いずれも限られた数の臨床報告であり、また、血栓を形成しないとの報告もあり、現段階で結論はでていない。 しかし、トラネキサム酸の動物実験において、生成した血栓を安定化させることが示されたため使用上の注意に記載がある。 (第一三共株式会社トランサミン錠250mg,500mg,カプセル250mg,散50%,シロップ5% インタビューフォーム)