【A】イントラリポス添付文書の〔重要な基本的注意欄〕に「本剤に他の薬剤を混合しないこと」と記載があるため、希釈は不可である。他の薬剤と混合すると経時的に粒子系が粗大化される可能性があるためである。
(参考 : イントラリポス輸液 添付文書 第11版)
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/180079_3299504A4032_1_04.pdf
しかし、イントラリポス輸液20%100mlと他の輸液を混合し、微粒子数を測定したところ、生理食塩液、ヴィーンD輸液、ソルデム3輸液、アミノフリード輸液、アミノトリパ1号輸液において、経時的に粒子の粗大化が認められたが、5%ブドウ糖液には経時的に粒子の粗大化が認められなかったと報告されている。
よって基本的にはイントラリポス輸液の希釈は不可であるが、小児科領域でイントラリポス輸液の希釈が不可欠であれば、5%ブドウ糖液を使用した希釈も選択肢の一つと考えられる。ただし、脂肪乳剤は白濁しており粒子の粗大化がわかりにくいため注意が必要である。
(参考 : 輸液製剤の特徴から見た輸液ライン管理のあり方 ~輸液ライン管理における医薬品に関連した諸問題とその対策~, 静脈経腸栄養, 2014,Vol.20 No.2, 31(717) )
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspen/29/2/29_717/_pdf
※イントラリポス輸液の希釈は各医療担当者の裁量と判断になります。