【Q】ジゴキシン製剤を使用する場合、適正な血中濃度は?

【A】以下の理由より、ジゴキシンの血中濃度は0.5-0.8ng/mLでコントロールすることが望ましいと考えられます。

 

強心薬ジゴキシンの治療上適正な血中(血清あるいは血漿中)濃度は範囲が0.5-2.0ng/mLと狭いため,血中濃度を測定して投与量を調節することが必要である。
参考資料)医学大辞典第2版

治療有効濃度範囲(トラフ値):0.5-1.5ng/mL
参考資料)臨床検査データブック2019-2020

しかし、以下のように報告されています。

AFFIRM試験のサブグループ解析において、ジゴキシンの血中濃度を1.0ng/mL以上に投与された患者群において、心不全の有無に関わらず総死亡率が有意に高値だった。
参考資料)Wyse DG, et al.N Engl J Med. 2002 Dec 5;347(23):1825-33.(PMID:12466506)

ジゴキシンの血中濃度による層別解析の結果、心不全悪化の予防効果は血中濃度0.5-0.9ng/mLでコントロールされた群に認められた。
参考資料)Rathore SS, et al.JAMA. 2003 Feb 19;289(7):871-8.(PMID:12588271)

ジゴキシンの血中濃度は0.8ng/mL以下に維持することが推奨される。
参考資料)急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版

以上より、ジゴキシンの血中濃度は0.5-0.8ng/mLでコントロールすることが望ましいと考えられます。

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