【Q】「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症」に対して、イグザレルトやエリキュースには高用量開始であるがリクシアナには記載がない理由は?

【A】リクシアナは、「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症」の患者に対しては、急性期の適切な初期治療(未分画ヘパリンやアリクストラ皮下注)後に開始する必要があるためです。

DOAC発売前は、「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症」の治療にはワーファリンが使用されていました。ワーファリンは治療域に達するまで4〜5日間がかかることから、未分画ヘパリンやアリクストラ皮下注を投与後、治療域に達した後にワーファリンを開始していました。

一方で、新規発売されたイグザレルトやエリキュースは最高血中濃度到達時間 (Tmax) が短く、即効性があるため、ヘパリンなどの投与なしで、高用量の初期投与から開始可能となりました。

リクシアナも同様に最高血中濃度到達時間 (Tmax) が短く、即効性がありますが、ヘパリンなどが投与された後のみの臨床試験であったため、急性期治療であるヘパリンなどから本剤へ切り替える用法のみになりました。即効性が期待できることから、ヘパリンからの切り替えが必要か否かは患者の状態を考慮して判断する必要があります。

 

DOACのTmax (最高血中濃度到達時間)

・イグザレル…

会員登録をしていただくと全文お読みいただけます。

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症」に対して、イグザレルトやエリキュースには高用量開始であるがリクシアナには記載がない理由は?

【A】リクシアナは、「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症」の患者に対しては、急性期の適切な初期治療(未分画ヘパリンやアリクストラ皮下注)後に開始する必要があるためです。 DOAC発売前は、「深部静脈血栓症及...

【Q】DOACの4剤、それぞれの特徴の違いは?

4種のDOACの違いのまとめ 標的因子:ダビガトランのみトロンビン(トロンビン阻害薬)、その他は第Xa因子(Xa阻害薬)。 中和剤:ダビガトランのみ存在(イダルシズマブ) 剤型:リバーロキサバンのみ細粒あり。エドキ...

【Q】イグザレルトの術前中止期間は?休薬期間は?

【A】以下のように、低リスク患者、高リスク患者、腎機能に応じてイグザレルトの術前中止期間は変わってくる。術前中止基準についてはエビデンスが十分ではなく、ガイドラインにも示されていないため、文献を参考...

新着記事

【Q】アレジオンLX点眼液0.1%は小児に対して何歳から使用可能か?

【A】12歳以上から使用可能であると考えられます。ただし、使用経験がなく、安全性が確立していないことが理由であるため、必ずしも12歳未満が使用不可ではありません。 実臨床では医師の裁量で12歳未満にも処方...

尿路感染症治療中におけるSGLT2阻害薬の継続可否は?

【質問】UTI治療中の場合にDMで内服中のSGLT2阻害薬は中止することを確認すべきでしょうか。 UTIの重症度やDMのコントロールの状況にもよると思うのですが、違う意見もあり、他のご施設ではどのように対応されて...

バゼドキシフェンの飲み忘れ時対応における「次回服用時間が近い場合」の対応は?

【質問】 バゼドキシフェンの飲み忘れ対応について、「決して2回分を一度に飲まないでください。気がついた時に、1回分を飲んでください」とありますが、多くの薬剤に記載のある「次回服用時間が近ければ飲み忘...

新着記事をもっと見る