高カリウム血症リスクのためセララ・ミネブロとウラリット併用は避けるべきか?

【質問】セララやミネブロの添付文書に、ウラリットは併用禁忌の記載がありません。 ヒヤリハット事例でセララ投与中にウラリット併用発覚で削除した報告例があります。 製薬会社FAQにウラリットは重量比約18%のカリウム(178mg/g、4.5mEq/g)が含まれていると記載されています。 ヒヤリハット事例報告のように、添付文書に記載がなくても、投与を避けると考えた方が良いでしょうか。

【回答】ウラリットはクエン酸カリウムとクエン酸ナトリウムを含有しており、カリウムの重量比は約18%(178mg/g、4.5mEq/g)です。特に腎機能が低下している患者では、高カリウム血症のリスクが増加します。

一方、セララ(エプレレノン)はカリウムの排泄を抑制する作用があります。これらの薬剤を併用すると、血清カリウム値が上昇し、高カリウム血症のリスクがさらに高まる可能性があります。

添付文書に併用禁忌として明記されていない場合でも、ヒヤリハット事例としてセララ投与中にウラリット併用が発覚し、ウラリットが削除されたケース(下記に引用)が報告されています。

添付文書に記載がない場合でも、腎機能が低下している患者や高齢者に対しては、高カリウム血症のリスクを考慮し、これらの薬剤の併用を避けるほうが安全と考えられます。

日本ケミファ株式会社のホームページのQ&Aには下記の通り記載されています。

質問 : ウラリットの副作用で高カリウム血症が発現するメカニズムは?
回答 : ウラリットには重量比で約 18%のカリウム(178mg/g、4.5mEq/g)が含まれているため、腎機能が低下し
ている場合など、カリウムが速やかに尿中に排泄されなくなることで、結果として血清カリウム値が上昇するものと考えられます。なお、明らかな腎機能障害がなくとも血清カリウム値が上昇した症例が報告されていますので、定期的な検査をお勧めします。

(日本ケミファ株式会社のホームページQ&A)

 

疑義照会に関する事例(薬局ヒヤリ・ハット事例)

セララ錠25mg服用の患者様にウラリット配合散が追加となった。セララ錠服用中はカリウム配合の医薬品は高カリウム血症を起こす可能性があるため禁忌となるので、疑義照会した結果、炭酸水素ナトリウムに変更となった。

セララの添付文書には、カリウム配合剤としてアスパラKなどは商品名が記載されているがウラリットの記載はない。 監査システム等でもひっかかってこないものがあり、処方医も見落としたものと思われる。

https://www.pmda.go.jp/files/000207026.pdf

 

 

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