【Q】セララ (エプレレノン)と併用注意と考えられるCYP3A4阻害薬は?

【質問】セララの減量基準に、CYP3A4阻害薬併用時は、1日25mgを超えないと記載されています。併用注意に記載されたCYP3A4阻害薬以外に影響を考える薬剤一覧が知りたいです。

【A】セララ錠の添付文書には「CYP3A4阻害薬と併用する場合には、本剤の投与量は1日1回25mgを超えないこと。」と記載されており、さらに具体的なCYP3A4阻害薬として「クラリスロマイシン」「エリスロマイシン」「フルコナゾール」「サキナビルメシル酸塩」「ベラパミル塩酸塩」等が挙げられています。この理由はセララ (エプレレノン)の血漿中濃度が上昇し、血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがあるためとされています。

添付文書に記載されている薬剤はいわゆる「中程度〜強いCYP3A4阻害薬」が記載されています。これ以外の「中程度〜強いCYP3A4阻害薬」には以下があり、これらの薬剤との併用には注意する必要があります。

強い阻害薬 (相互作用を受けやすい基質薬のAUCが5倍以上に上昇)

5〜10倍
・イトコナゾール
・ボリコナゾール
・リトナビル(抗HIV治療薬)
・テラプレビル (テラビック)
・インジナビル(抗HIV治療薬)
・コビシスタットコビシスタット

10倍以上
・クラリスロマイシン
・グレープフルーツジュース
・エリスロマイシン
・ネルフィナビル (抗HIV治療薬)
・サキナビル(抗HIV治療薬)

中程度の阻害薬 (相互作用を受けやすい基質薬のAUCが2倍以上5倍未満に上昇)

2倍以上5倍未満
・ジルチアゼム
・ベラパミル
・フルコナゾール
・ミコナゾール
・アプレピタント
・シクロスポリン
・イストラデフィリン (ノウリアスト)
・イマチニブ
・クリゾチニブ (ザーコリ)
・シプロフロキサシン
・トフィソパム
・アタザナビル (抗HIV治療薬)
・フォサンプレナビル (抗HIV治療薬)
・アンプレナビル(抗HIV治療薬)

 

また、弱い阻害薬として以下が挙げらます。

弱い阻害薬 (相互作用を受けやすい基質薬のAUCが1.25倍以上2倍未満に上昇)
1.5〜2倍
・ビカルタミド
・ニロチニブ (タシグナ)
・パゾパニブ (ヴォトリエント)
・アジスロマイシン
・ベルベリン
・クランベリージュース
・エベロリムス (アフィニトール,サーティカン)
・プロピベリン
・ロキシスロマイシン
・アムロジピン
・ゲムフィブロジル (ロピド)
・リナグリプチン (トラゼンタ)
・バルサルタン
・oral contraceptives (経口避妊薬)
・イソニアジド
・トルバプタン (サムスカ)
・アルプラゾラム
・アミオダロン
・ラパチニブ (タイケルブ)
・アトルバスタチン

1.25〜1.5倍
・フルボキサミン
・シメチジン
・ラニチジン
・クロルゾキサゾン
・シロスタゾール
・タクロリムス
・フォサプレピタント
・ゴールデンシール (ハーブ)

(参考 : 医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン)

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

新着記事

「用時懸濁」指示時における粉末服用の可否は?

【質問】ドライシロップについて。用法に用時懸濁とだけ記載ある場合は、粉のまま服用できる患者だとしても必ず水に溶かしてから服用する必要があるのでしょうか。 テオフィリンDSのように顆粒のままでも服用でき...

亜鉛製剤による銅欠乏リスク:血清亜鉛値が正常でも銅の定期測定は必要か?

【質問】貧血傾向がある方で、ポラプレジンクや酢酸亜鉛などの亜鉛補充の薬を長期的に内服していた場合の銅欠乏の副作用についてどのようにフォローすべきなのかご教示ください。 採血で亜鉛の項目を確認すること...

欠食はSERMの血栓症、活性型VD3の高Ca血症リスクを高めるか?

【質問】欠食は、SERMと活性型VD3製剤の副作用リスク因子となるか。 SERMの静脈血栓症、活性型VD3製剤の高カルシウムの副作用について。 1食抜くと400mlの水分不足となると言われていますが、摂取水分の減少の面...

新着記事をもっと見る