【Q】輸液を点滴中の患者に側管からKCL注を投与するのは可能か?(希釈濃度、速度)

【Q】末梢静脈から投与する場合、「KCL注20mEq/20mL」は添付文書上40mEq/L以下に希釈して投与する必要がある。主管より500mLの輸液(Kを含まない)が投与されている場合、その側管から①KCL20mLを原液、あるいは②100mLの生食での希釈液を投与すれば、規定の40mEq/L以下を満たすと考えてよいか。なお、シリンジポンプ、あるいは輸液ポンプを使用して、投与速度は問題ないとする。

 

【A】①と②のいずれにおいても、KCL40mEq/L以下を満たすと考えられますが、医療安全の面から、実臨床上において①と②の投与方法は避けたほうが望ましいと考えられます。

【解説】

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉
(1)本剤は電解質の補正用製剤であるため、必ず希釈して使用すること(カリウムイオン濃度として40mEq/L以下に必ず希釈し、十分に混和した後に投与すること).
(2)ゆっくり静脈内に投与し、投与速度はカリウムイオンとして20mEq/hrを超えないこと.
(3)カリウムイオンとしての投与量は1日100mEqを超えないこと.
(KCL注20mEqキット 添付文書より)

→添付文書上は40mEq/L以下に希釈して投与する必要があります。

 

『主管より500mLの輸液(Kを含まない)が投与されている場合、その側管から①KCL20mLを原液、あるいは②100mLの生食での希釈液を投与』

→①と②の場合のいずれも、カリウムの投与速度を考慮しなければ、理論上、KCLの濃度は40mEq/L以下と考えることができると考えられます。

ただし、主管が閉塞した場合など、KCLが高濃度で投与される大きなリスクがあり、医療安全の面からKCLは40mEq/L以下に希釈して使用することが望ましいと考えられます。

「高濃度カリウム注射製剤の有害事象」に関してさまざな報告があります。http://kyodokodo.jp/wp/wp-content/uploads/2017/11/QA20171022.pdf

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