【A】タダラフィル(ザルティア錠)とタムスロシンとの併用は可能であり、併用することで前立腺肥大、LUTS (下部尿路症状) の治療の有効性があがるという報告がある。しかし、添付文書に「併用により症候性低血圧があらわれるとの報告がある。」と記載されており、注意が必要である。
以下、参考文献。
総IPSS、貯蔵および排尿サブスコアは、タムスロシン/プラセボ群(-1.2±14.35)と比較してタムスロシン/タダラフィル群(13±17.0)の有意な減少を示した(P = 0.03)。
〔Urodynamic effects of the combination of tamsulosin and daily tadalafil in men with lower urinary tract symptoms secondary to benign prostatic hyperplasia: a randomized, placebo-controlled clinical trial., Int Urol Nephrol. 2013 Feb;45(1):39-43〕
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23108604
PDE5阻害薬単独とα1遮断薬との併用の比較に関してメタアナリシス。
「PDE5阻害剤とα1遮断薬の併用は、PDE5阻害剤単独療法と比較してBPHを示唆するEDおよびLUTSを有する男性において相加的な好ましい効果をもたらす。α1遮断薬は、EDおよびLUTSの治療に有益なPDE5阻害剤の有効性を増強することができる」と結論付けされている。
〔The Efficacy of PDE5 Inhibitors Alone or in Combination with Alpha‐Blockers for the Treatment of Erectile Dysfunction and Lower Urinary Tract Symptoms Due to Benign Prostatic Hyperplasia: A Systematic Review and Meta‐Analysis, J Sex Med. 2014 Jun;11(6):1539-45.〕
http://www.jsm.jsexmed.org/article/S1743-6095(15)30778-5/fulltext
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤シルデナフィルクエン酸塩バルデナフィル塩酸塩水和物等
併用により症候性低血圧があらわれるとの報告がある。
本剤はα 遮断作用を有するため、併用によりこれらの血管拡張作用による降圧作用を増強するおそれがある。
(ハルナールD錠 添付文書 第10版)
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/800126_2590008F1026_1_11.pdf