【質問】
外来服薬支援料2について質問があります。一包化指示のある処方に、吸湿性が高いなどの理由で一包化に適さない薬剤が含まれていた場合、その薬剤をPTPシートのまま交付することは認められていると思います。なお、それ以外の薬剤で算定要件は満たしているものとします。
この場合、PTPシートを一包化の分包紙にホチキスや両面テープなどで貼り付ける必要はあるのでしょうか。貼り付けずに薬袋に入れて交付すると、外来服薬支援料2を算定できないと聞きました。その真偽を知りたいです。
1. 結論
PTPシートを分包紙に貼り付けていないことだけを理由に、外来服薬支援料2を算定できないとする記載は、現在の告示・留意事項には確認できませんでした2) 3)。
今回のように、PTPで交付する薬剤を除いた一包化部分が要件を満たし、必要な服薬支援も行っている場合、貼り付けは必須の算定条件ではないと考えられます。ただし、この判断は旧一包化加算の疑義解釈と現行の通知を踏まえた解釈です。現在の外来服薬支援料2について、PTPで別に交付する場合の扱いを直接回答した疑義解釈を確認できたわけではありません1) 3) 4)。
2. 背景
一包化に適さない薬剤を、分包した薬剤とどのようにまとめて渡すか。薬局で判断に迷う場面の一つだと思います。
ホチキス留めは、服薬支援の工夫として中医協の資料でも紹介されています。ただし、実際に行われている対応の紹介であり、貼り付けを必須とする算定条件ではありません6)。
外来服薬支援料2は、一包化に加え、必要な指導や調剤後の服薬状況の把握も含めた評価です。貼り付けるかどうかは、患者が薬を取り出せるか、飲み忘れや飲み誤りを防げるかを踏まえて判断します3)。
3. 根拠となる資料
3-1. 平成27年の疑義解釈:PTPのまま別に交付する場合
平成27年2月3日の「疑義解釈資料の送付について(その12)」別添3・問1では、吸湿性などの理由でPTPから取り出せない薬剤を別に交付した場合を扱っています。その薬剤を除いた一包化部分が算定要件を満たしていれば、旧一包化加算を算定して差し支えないとされています。分包紙への貼り付けや固定は、条件に挙げられていません1)。
3-2. 令和8年度の告示・留意事項:一包化の要件と定義
告示では、多種類の薬剤を投与されている患者、または自ら分包を出して薬剤を服用することが困難な患者を対象としています。処方医の了解を得た上で、2剤以上の内服薬、または1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化することが定められています。必要な指導等を行い、患者の服薬管理を支援することも要件です2)。
留意事項では、一包化の対象を内服用固形剤とし、錠剤等は直接の分包から取り出して行うとしています。この定義は、平成27年の疑義解釈が出た当時の留意事項と同じです3) 4)。
令和4年度改定では、一包化加算の廃止と併せて外来服薬支援料2が新設されました。この経緯と一包化の定義を踏まえ、PTPで別に交付する場合も、旧疑義解釈の考え方を参考にできると考えられます1) 3) 4) 8)。
3-3. 近畿厚生局の個別指導:PTPの薬剤を除くと要件を満たさない例
平成30年度の個別指導では、旧一包化加算について、PTPのまま交付した薬剤を除くと、残る2種類以上の薬剤に服用時点の重なりがないにもかかわらず算定した例が指摘されています。この事例で問題とされたのは、残る一包化部分で要件を満たしていなかったことです5)。
4. 関連した質問
Q1. PTPのまま貼り付ければ、その薬剤も一包化の種類数に含められますか?
含められないと考えられます。通知上、一包化は錠剤等を包装から取り出して行うものです。PTPのまま貼り付けても、一包化した薬剤として種類数に加えたり、服用時点の重なりを補ったりすることにはなりません1) 3)。
Q2. 薬歴などには、何を記録すればよいですか?
現在の留意事項では、薬剤師が一包化を必要と認め、医師の了解を得て一包化した場合、その旨と、一包化を必要と認めた理由を薬剤服用歴等に記載することが求められています3)。
一包化しなかった薬剤とその理由については、平成27年の疑義解釈で、調剤録等への記録が「望ましい」とされています。必須の記載事項に加え、一包化しなかった薬剤とその理由も記録しておくとよさそうです1)。
Q3. 貼り付ける場合、何に注意すればよいですか?
誤飲防止のため、PTPシートを不必要に1錠ずつ切り離さないよう注意します。厚生労働省の通知でも、調剤・与薬時等に不必要に1つずつ切り離さないよう求めています7)。
端数が生じるなど、やむを得ず1つに切り離して交付する場合には、PTPシートごと飲まないよう十分に説明します。自己管理が難しい患者では、家族等の介護者にも注意喚起し、服用時の見守りなどを確認します7)。
自分でPTPから薬を取り出せない患者では、分包紙に貼り付けるだけでは対応できません。誰が薬を取り出すかも含め、実際に服用できる方法を確認する必要があります。
5. まとめ
PTPシートを分包紙に貼り付けることを必須とする記載は、現行の告示・留意事項には確認できませんでした。PTPで交付する薬剤を除いた一包化部分の要件と、患者に必要な服薬支援を確認することが大切です。旧疑義解釈を現行制度に当てはめる点には、解釈を含みます1) 2) 3) 4)。
貼り付けは、患者に必要な服薬支援の一つとして判断します。貼り付ける場合も、PTPシートを不必要に1錠ずつ切り離さないよう注意します6) 7)。
6. 参考文献
- 厚生労働省保険局医療課. 疑義解釈資料の送付について(その12). 平成27年2月3日事務連絡. 別添3、調剤報酬点数表関係、問1(PDF6頁).
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000073090.pdf#page=6 - 厚生労働省. 診療報酬の算定方法の一部を改正する件. 令和8年厚生労働省告示第69号. 別表第三、調剤報酬点数表、区分14の2、注3(PDF8頁).
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665294.pdf#page=8 - 厚生労働省. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について. 令和8年3月5日保医発0305第6号、令和8年6月19日訂正後. 別添3、区分14の2「2 外来服薬支援料2」、p.39–40.
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713883.pdf#page=39 - 厚生労働省. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について. 平成26年3月5日保医発0305第3号. 別添3、区分01、(1)内服薬「ス」、p.5.
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000041239.pdf#page=5 - 近畿厚生局. 平成30年度 個別指導(調剤)における主な指摘事項. Ⅱ-3-2「一包化加算」、(1)⑥、p.5.
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/iryo_shido/000104621.pdf#page=5 - 厚生労働省. 中央社会保険医療協議会総会資料 総-3「在宅(その5)」. 令和5年11月29日、p.51.
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001172377.pdf#page=51 - 厚生労働省. PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼). 平成22年9月15日、医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号.
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb6452&dataType=1&pageNo=1 - 厚生労働省. 医療安全を前提とした対物業務の効率化について. 第3回薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ、資料2-1. 令和4年3月31日、p.34.
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000921955.pdf#page=34









