【Q】亜鉛とチラーヂンの併用に関する回避時間は?

【質問】亜鉛とチラーヂンの併用に関する回避時間について。米国の添付文書には他のカチオン系は回避時間が記載されているが、プロマックは米国で販売されておらず記載がない。どれくらいあければよいか。

 

【A】亜鉛とチラーヂン併用に関する情報はありません。プロマック錠とチラーヂン併用はキレートを形成し、チラーヂンの効果が低下する可能性があるため、同時服薬は避けることが望ましいと考えられます。投与間隔について明確な情報はありませんが、米国の添付文書の記載内容から4時間以上あけることが望ましいと考えられます。ただし、プロマック錠とチラーヂン併用は添付文書上で、禁忌ではなく併用注意のレベルに位置付けられており、以下の詳細を確認し、臨床の現場での判断となります。

 

【解説】

プロマックD錠75の添付文書には、チラーヂン錠(レボチロキシンナトリウム)と併用注意となっています。

レボチロキシンナトリウム
同時に服用することにより,併用薬剤の効果を減弱するおそれがあるので,やむを得ず投与する場合には,同時に服用させないなど注意して投与すること。

[機序・危険因子]同時投与した場合,プロマックが併用薬剤とキレートを形成し,吸収を低下させる可能性がある。 (プロマックD錠75 添付文書)

理由はプロマックD錠75とチラーヂン(レボチロキシンナトリウム)がキレートを形成し、チラーヂンの効果が低下する可能性があるためです。

米国の添付文書には以下のように記載されており、「炭酸カルシウムはレボチロキサシンと不溶性キレートを形成」し、「硫酸第一鉄とは錯体を形成」するため4時間間隔をあけて服薬するよう記載されています。

Drugs that may decrease T4 absorption, which may result in hypothyroidism
Antacids
– Aluminum & Magnesium Hydroxides
– Simethicone
Bile Acid Sequestrants
– Cholestyramine
– Colestipol
Calcium Carbonate
Cation Exchange Resins
– Kayexalate
Ferrous Sulfate
Orlistat
Sucralfate

(levothyroxine sodium tablet 米国添付文書より)

 

米国添付文書にはプロマックD錠75に関する記載はありませんが、チラーヂンとプロマックD錠75の併用も他の薬剤と同様に、4時間以上あけることが望ましいと考えられます。

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