- リンゼス錠0.25mg
【コメント】便秘型の過敏性腸症候群の適応として初めて国内で発売される。この薬剤の特徴は 腸管管腔表面のグアニル酸シクラーゼC受容体を活性化することで腸管分泌および腸管輸送能の促進、大腸痛覚過敏の抑制作用を行うことである。今後は便秘型の過敏性腸症候群のみならず、慢性便秘症にも使われていくと思われる。アミティーザ (ルビプロストン) や酸化マグネシウムと同様に腸管内への水分分泌を促進する薬剤であるため、それぞれの薬剤との効果の比較が気になる点である。また、作用機序が異なるためラキソベロン (ピコスルファート) やセンノシドなどの大腸刺激性薬剤との併用は可能と思われる。
以下にリンゼス錠0.25mgの詳細を記載。
【粉砕の可否】吸湿性の点から粉砕や1包化は不可である。
錠剤は防湿及び乾燥機能を有するアルミ包装により品質保持をはかっている。服用直前に錠剤を取り出すこととし、無包装状態、あるいは別容器に移しての保存はしないこと。(添付文書より)
温度 25℃ ・湿度75%・暗所・シャーレの条件で1日後に類縁物質で規格を逸脱する顕著な増加を認め、7日後では溶出性及び定量において規格内での変化を認めた。(インタビューフォームより)
【適応】便秘型過敏性腸症候群
便秘型過敏性腸症候群治療の基本である食事指導及び生活指導を行った上で、症状の改善が得られない患者に対して、本剤の適用を考慮すること。
【用法用量】通常、成人にはリナクロチドとして0.5mg を1 日1 回、食前に経口投与する。なお、症状により0.25mg に減量する。
【作用機序】腸管管腔表面のグアニル酸シクラーゼC受容体を活性化することで腸管分泌および腸管輸送能の促進、大腸痛覚過敏の抑制作用を示し、便秘型過敏性腸症候群の症状を改善する。
過敏性腸症候群は便秘型、下痢型、混合型、分類不能型に分類され、既にセレキノン錠、コロネル錠、アミティーザなどの治療薬があるが、「便秘型」に特化した適応を持つ薬剤は国内初となる。
(リンゼス錠0.25mg 添付文書)
https://amn.astellas.jp/jp/di/list/lnz/pi_lnz.pdf