【A】現在も明確なエビデンスは構築されていません。上部消化管出血 (食道、胃、十二指腸) に対するトランサミンの止血効果は報告されています。
以下に現在までに報告されている文献をまとめました。
- 下部消化管出血 (小腸、大腸) に関するアドナとトランサミンの止血に関する文献はなし。
- 上部消化管出血 (食道、胃、十二指腸) に対するトランサミンの止血効果に関する文献あり。
- Tranexamic acid for upper gastrointestinal bleeding →メタ解析の文献。トランサミンは上部消化管出血に対して有効 (死亡率を低下させる) であると報告されている。しかし脱落者が多いため、これらの結果を確実にすることはできないと結論づけている。信頼性は高くないといえる。
- 現在(2020年5月現在)、HALT-ITという二重盲検の大規模臨床試験(12,000人対象)が実施されている。この大規模臨床試験は非常に信頼性が高いと考えられている。