【質問】添付文書上、アーチストは1日2回、メインテートは1日1回投与ですが、当院循環器科においてメインテート1日2回で処方されるケースが多くあります。アーチストと間違えてると思い疑義照会をかけたこともありますが、たいていの場合OKとなりました。循環器系のガイドライン等でメインテート1日2回(またはアーチスト1日1回)の使用の記載はあるのでしょうか。
【A】添付文書上、アーチストは1日2回、メインテートは1日1回投与となっています。さらにガイドラインやガイドラインの引用文献などでも1日量は記載されていますが、投与回数までは言及されていません。添付文書通りの用法が記載されているものもあります。
(心房細動治療 (薬物) ガイドライン)
(急性・慢性心不全診療ガイドライン)
(Heart rate-reducing effects of bisoprolol in Japanese patients with chronic atrial fibrillation: results of the MAIN-AF study. J Cardiol. 62(1):50-57, 2013)
フランスの添付文書には「重度 (クレアチニンクリアランス< 20mL/min) の場合は、半減期が中等度延長するため、1日10㎎を超えてはいけない。場合によっては,2回に分けること。」と記載されています。
メインテートは基本的には1日1回の投与ですが、腎機能が低下している患者には1日2回の投与としている可能性があります。
メインテートは1日1回と2回で効果の違いについて言及されているものはなく、臨床現場での判断となりそうです。
また、私の知る大学病院においても、メインテートが1日2回で処方されるケースは散見されます。
ビソプロロール 添付文書 (フランス)
高血圧
通常1日1回1錠(10㎎) で朝が良い。重症の時、1 日20㎎までとする。さらに、利尿剤との併用で相乗効果が期待できる。腎不全患者で軽度~中等度(クレアチニンクリアランス≧20mL/min)の場合は、用量を調節する必要はない。重度(クレアチニンクリアランス< 20mL/min)の場合は,半減期が中等度延長するため、1 日10㎎を超えてはいけない。場合によっては、2回に分けること。肝機能不全患者の場合、用量を調節する必要はない。食事はビソプロロールの代謝に影響を与えない。