NSAIDsを服用+ヘリコバクターピロリ菌感染者の消化性潰瘍のリスクは?

【質問1】初歩的な質問です。m(*_ _)m ピロリ菌除菌中、除菌後にNSAIDsが他院からでるケース時々あると思います ピロリ菌がいるとは言え全員が潰瘍とは限らないとは思いますが、 皆様ならどのような聞き取りをされていますか? 潰瘍があるかをストレートに聞いたり、胃痛がないかをやんわり聞いたりなど、 ご教授頂けましたら幸いです よろしくお願いいたします。

【質問2】ピロリ菌除菌中のNSAIDs服薬についてです。 よくピロリ菌除菌期間中、服薬後でも NSAIDsが処方されていることを見かけます ピロリ菌がいるからとは言え、胃潰瘍になっている とは限らないと思いますし処方通りお渡ししていましたが、 他の薬剤師の方ならどのような判断をされているのか知りたく投稿しました。 疑義照会した方が良い等のご意見ありましたら教えてさい。 よろしくお願いいたします。

【A】ヘリコバクターピロリ菌感染と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用はそれぞれが消化性潰瘍のリスクを増大させます。これらはヘリコバクターピロリ菌感染の有無に関わらず、これらは独立した危険因子となります。(Lancet 2002 Vol. 359 Issue 9300 Pages 14-22、Clin Gastroenterol Hepatol 2006 Vol. 4 Issue 2 Pages 130-42)

NSAIDsを服用している患者で、ヘリコバクターピロリ菌感染者の消化性潰瘍のリスクは非感染者に比べて高い(オッズ比1.81)と報告されています。(Clin Gastroenterol Hepatol 2006 Vol. 4 Issue 2 Pages 130-42)

それに対して、ヘリコバクターピロリ菌を除菌した後にNSAIDsの服用を開始すると、消化性潰瘍のリスクが減少することも報告されています。(Lancet 1997 Vol. 350 Issue 9083 Pages 975-9、Lancet 2002 Vol. 359 Issue 9300 Pages 9-13、Gut 2002 Vol. 51 Issue 3 Pages 329-35)

以上から、ヘリコバクターピロリ菌感染とNSAIDの関係は非常に複雑であり、ヘリコバクターピロリ菌感染にかかわらず、NSAIDsを服用している患者は注意が必要と考えられます。しかし、疑義照会が必要かどうかは薬剤師が具体的な状況(腎機能低下など)を考慮して判断することが求められます。

消化性潰瘍の有無は重要であるため、患者が胃カメラ検査を受けたかどうかや消化性潰瘍が確認されたかなどを尋ねる必要があります。これらは聞きにくい内容かもしれませんが、堂々と聞くべきではないでしょうか。

 

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