【質問】終末期の方です。ダイアップ坐剤10㎎が苦痛時で処方されました。適応外になりますが、保険はとおるのでしょうか?
【A】終末期の成人患者における苦痛緩和のためにダイアップ坐剤10㎎が処方される場合、その保険が適用されるかは不明です。しかし、実際の臨床現場でダイアップ坐剤が使用されている例もあるとされています。
例えば、終末期におけるせん妄の予防や管理のために、ダイアップ坐剤が用いられることがあります。
終末期のがん患者の中で、約30~40%の患者がせん妄を合併し、死亡直前には約90%のがん患者でせん妄が発生することが報告されています。 (Agitation and delirium at the end of life: “We couldn’t manage him”.Jama 2008 Vol. 300 Issue 24 Pages 2898-910)せん妄は家族にとっても大きなストレス要因となり、在宅療養の継続を困難にする可能性があります。このため、ダイアップ坐剤の処方は、患者や家族のQOL(Quality of Life)の改善を目的としていることがあると考えられます。
以上より、ダイアップ坐剤10㎎の苦痛時の使用に関しては、実際の臨床現場での判断となると考えられます。また…