【質問】インスリン注射を使用する際、2本を使用して単位数を満たしてもよいか。 例えば20単位を1本は5単位、もう1本は15単位で注射する場合などはどうか。
【回答】ペン型インスリンで必要単位量に残量が満たない場合、2本ペン型インスリンを用いて不足分を追加注射することは可能です。イーライリリーの公式HP(https://medical.lilly.com/jp/answers/70343)にも記載されており、適切に操作すれば問題なく必要量のインスリンを投与することができます。ただし、1回の注射で2本使用することになるため患者指導と操作に注意が必要です。
ペンの残量が必要量に足りない場合の対処法として、下記が考えられます。
- 方法①: 残っている分(設定可能な最大単位)までそのペンで注射し、新しいペンに交換して足りない分を追加注射する
- 方法②: 新しいペンに最初から交換し、指示された全量を新しいペンで1回で注射する(この場合、前のペンに残ったインスリンは廃棄)
方法①では2回注射(針刺し回数が増える)になる点、2回空打ちをするなどに注意が必要です。患者の負担軽減や注射漏れ防止の観点では、残量がごくわずかな場合は新しいペンで1回で投与した方が良いかもしれません。
・ペン型インスリン注入器は、内部残量より多い単位数にはダイヤル設定できない設計になっています。例えば「あと10単位しか残っていないペン」で20単位を注射しようとしても、ペンは10単位までしか設定できません。
・方法①はインスリンの無駄を減らす利点がありますが、もし患者さんが操作に不安を感じる場合には無理に残量を使わせず新ペンでまとめて注射するよう指導が望ましいと考えられます。(残量分は廃棄)。
・両方の方法を説明し、患者さんの希望や技術に応じて選択してもらうことが望ましいと考えられます。「残量分+新ペン」で注射する場合も正しく2回注射できれば問題ありません。指示単位のインスリンを漏れなく投与することであり、患者さんが誤投与しないような方法を選択することが必要です。