【A】以下に詳細をまとめる。
指導のポイント
・創面には消毒薬を使用しないのが原則
1.グルタラール(グルタルアルデヒド)
・内視鏡やウイルス汚染の医療器材 に使用
・①液の付着に注意(化学損傷を生じる)②蒸気の曝露に注意(粘膜刺激を生じる)換気 蓋付きの浸漬容器で用いる 清拭法や噴霧法で用いない ③適用後の内視鏡に対しては十分な水洗が必要
2.次亜塩素酸ナトリウム
a.0.01~0.0125% (100~125ppm) → 哺乳瓶 投薬容器 蛇管 薬液カップ 洗浄後に1時間の浸漬
b.0.02%(200ppm) → 食器,まな板 洗浄後に5分間以上の浸漬
c.0.05~0.1%(500~1000ppm → ウイルス汚染の環境(目に見える血液汚染がない場合
d.0.5~1%(5000~10000ppm) → 本薬をしみ込ませたガーゼなどで拭き取る
3.ポピドンヨード原液
a.(10%) →手術部位の皮膚・粘膜 創傷部位 熱傷皮膚面 感染皮膚面
①腹腔や胸腔へ用いない(ショックなどの可能性)
②体表面積20%以上の熱傷患者や,腎障害のある熱傷患者には用いない(大量吸収による副作用)
③低出生体重児新生児への広範囲使用を避ける(大量吸収による副作用)
④術野消毒では,患者と手術台の間にたまるほど大量に用いない(湿潤状態での長時間接触で化学損傷)
b.原液(7.5%) 手指・皮膚 手術部位の皮膚 ①手指消毒では,高度の頻回使用を避ける(手荒れの防止)
②粘膜や創傷へ用いない(洗浄剤が毒性を示す)
③首から上の術野消毒に用いない(誤って眼や耳に入った場合,洗浄剤が毒性を示す)
④術野消毒では,患者と手術台の間にたまるほど大量に用いない(湿潤状態での長時間接触で化学損傷)
c.15~30%倍に希釈(含嗽) 口内炎 咽頭炎,扁桃炎,口内炎,抜歯創を含む口内創傷の感染予防
4.消毒用エタノール(原液) 手指 皮膚 手術部位の皮膚 注射剤のアンプル・バイアル ドアノブ・水道ノブ 洋式トイレの便座
カート医療器材
5.クロルヘキシジン 0.02% 外陰・外性器の皮膚 結膜嚢
0.05% 創傷部位
0.1~0.5% 手指 皮膚 医療器材 環境(床など)
①適用濃度に注意。(たとえば,創部消毒に誤って0.5%を用いると,ショックが生じる可能性がある)
②外陰・外性器の皮膚や結膜嚢への適用では,無色のクロルヘキシジン(ヒビテングルコネート®など)を用いる
③膀胱・膣・耳へは禁忌
6.塩化ベンザルコニウム0.01% 感染皮膚面
0.01~0.025% 手術部位の粘膜 創傷部位
0.01~0.05% 結膜嚢
0.02~0.05% 膣
0.1% 手指,皮膚
0.1~0.2% 医療器材 環境(床など)
①適用濃度に注意。(0.1%液は眼に,1%液は粘膜に,5%液は皮膚に毒性を示す)