【A】第一選択はフルコナゾールを使用する。以下に詳細を記載する。
症候性の膀胱炎
初期治療 (第一選択) フルコナゾール(200 mg[3 mg/kg]/日)を2週間(A-Ⅲ)。
代替治療 AmB-d(0.3〜0.6 mg/kg)を1〜7日間またはフルシトシン(25 mg/kgqid)を7〜10日間(B-Ⅲ)
フルコナゾール耐性真菌が分離された場合には代替治療に示した治療を実施。AmB-dの膀胱内注入はフルコナゾール耐性真菌(Candida kruseiおよびCandida glabrataなど)による難治例に対してのみ推奨。
以下詳細
膀胱炎にはフルコナゾールが第一選択薬である。フルコナゾールは水溶性が高く、活性を保持したまま主として尿中に排泄され、カンジダ属のほとんどの真菌種に対するMIC値を上回る尿中濃度が容易に得られる。現在使用可能な他のアゾール系薬は、いずれも活性型の尿中への排泄が低いため有用ではない。膀胱炎患者でフルコナゾールに対してアレルギーのある場合や、フルコナゾールの最大量の投与や尿路の異常に対して最適の管理を行ったにもかかわらず、明らかに治療失敗である場合には、フルシトシンの経口投与、従来のアムホテリシンB製剤(AmB-d)の全身投与および膀胱内注入が代替治療となる。
フルシトシンは、カンジダ属のほとんどの分離真菌に対して優れた活性を示し、高い尿中濃度を示す。フルシトシンには毒性があり、単独投与すると耐性真菌の出現率が高いため、その適応は限定される。単純性カンジダ膀胱炎に対する初期治療としては推奨されない。
(カンジダ症治療の実践的臨床ガイドライン:米国感染症学会による2009 年改訂版)