【Q】同ランクに分類されたステロイド外用薬の効果の強弱は?

【A】ステロイド外用薬は薬効の強弱によりランク付けされており、薬剤選択の指標とされている。(日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」) これは主に血管収縮能、比較臨床試験、あるいは各医師の使用経験が分類の根拠となっている。しかし、ステロイド外用薬の同ランク同士の強弱についての明確な記載がない。血管収縮指数が同ランク同士の強弱の有益な情報の一つになると考えられるため、以下にそれぞれ記載した。ただし参考資料はかなり昔のものである。

血管収縮指数 商品名 一般名
strongest 1869 デルモベート クロベタゾールプロピオン酸エステル
1600〜1900※ ジフラール ジフロラゾン酢酸エステル
very strong 1660※ マイザー ジフルプレドナート
1660 リンデロン‐DP ベタメタゾン ジプロピオン酸エステル
550※ ネリゾナ ジフルコルトロン吉草酸エステル
220〜600 トプシム フルオシノニド
360※ パンデル 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
記載なし フルメタ モメタゾンフランカルボン酸エステル
記載なし アンテベート ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル
strong 1700※ メサデルム デキサメタゾン プロピオン酸エステル
500 プロパデルム ベクロメタゾン プロピオン酸エステル
360※ リドメックスコーワ プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
360※ ボアラ デキサメタゾン吉草酸エステル
360 リンデロン‐V・ベトネベート ベタメタゾン吉草酸エステル
100 フルコート フルオシノロンアセトニド
記載なし エクラー デプロドン プロピオン酸エステル
medium 262 キンダベート クロベタゾン酪酸エステル
75 ケナログ トリアムシノロンアセトニド
50 ロコイド ヒドロコルチゾン酪酸エステル
記載なし アルメタ プロピオン酸アルクロメタゾン
※他剤との比較からの推定値

(参考資料: 皮膚科外来診療マニュアル第2)

 

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