【A】以下に示す通り、ミノマイシン錠50mg (ミノサイクリン) は肝臓代謝型薬剤かつ糞便中排泄でありため、腎機能正常者と同じ投与量で問題ない。(1回100mg 12〜24時間)
ミノマイシン錠50mg (ミノサイクリン)
腎機能正常者と同じ (1回100mg 12〜24時間)
(参考 : CKD診療ガイド2012 日本腎臓学会編)腎機能障害時および透析時に通常量使用可能
(参考 : 改訂3版 腎機能別薬剤使用マニュアル)腎障害への用量調整の必要のない薬剤
(サンフォード感染症治療ガイド 2018 第48版)
代謝
(1) 代謝部位及び代謝経路 主として肝臓で行われる。塩酸ミノサイクリンの代謝はCYP2A6、CYP2C9、CYP2E1 及びCYP3A4 が関与すると考えられる。
(2) 排泄率 ミノサイクリン塩酸塩200mg(ミノマイシン100mg カプセルを2 カプセル)を健常成人に単回経口投与したときの尿中への排泄率は、8 時間で2.3%、24 時間で5.7%である。
(参考 : ミノマイシン錠50mg インタビューフォーム)腎障害患者における排泄
ミノサイクリン塩酸塩100mg (ミノマイシン点滴静注用100mg を1 バイアル) を中等度の腎障害患者3 例 (クレアチニンクリアランス42~64.6mL/分) に2 時間点滴静注を24時間ごとに3日間連続投与 (総投与量300mg) したとき、血中に蓄積する傾向は認められていない。また、外国人のデータであるが、腎障害患者 (クレアチニンクリアランス5mL/分以下) にミノサ イクリン塩酸塩200mgを単回静脈内投与したとき、腎機能の低下に伴う尿中排泄率の低下が認めら れるが、血中濃度半減期は健常人の約1.2 倍である。また、腎障害患者の血中濃度曲線下面積は、 健常人のそれと比較して有意差を認めていない。<参考> 動物実験 (イヌ) で、4mg/kg を単回静脈内投与したときの、尿中及び糞便中への排泄比率は、168 時間までの累積量で尿中13.5%、糞便中86.5%である。
(参考 : ミノマイシン点滴静注用100mg インタビューフォーム)