【Q】茵ちん蒿湯とインクレミンシロップを混合後、緑色になった。なぜか?この状態で服用可能か?

【A】ツムラ茵ちん蒿湯エキス顆粒の成分の一つはダイオウである。ダイオウにはタンニン類が多く含まれている。
鉄イオンとタンニン酸中のフェノール性OH基で錯化合物 (暗黒青、暗黒緑色) が形成される。今回の茵ちん蒿湯とインクレミンシロップの混合により、タンニンと鉄が反応したと考えられ、混合後の服用は避けることが望ましいと考えられる。
(参考 : 日本東洋医学雑誌 第46巻 第5号 631-644, 1996)

 

タンニン酸 確認試験
(1) 本品の水溶液(1→400) 5 mLに塩化鉄(III)試液2滴を加 えるとき,液は青黒色を呈し,放置するとき,青黒色の沈殿 を生じる
(第十七改正日本薬局方 1040-1041)

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.5gを含有する。
日局インチンコウ 4.0g
日局サンシシ   3.0g
日局ダイオウ   1.0g
(添付文書 ツムラ茵ちん蒿湯エキス顆粒(医療用))

大黄に含まれる成分で含有量が多いものとしてはタンニン類が挙げられる。タンニン類は収斂作用が強く、止瀉作用がある。
(武田薬報Web  https://takeda-kenko.jp/yakuhou/library/plant/vol34.html, (2019, 02, 02))

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

新着記事

「用時懸濁」指示時における粉末服用の可否は?

【質問】ドライシロップについて。用法に用時懸濁とだけ記載ある場合は、粉のまま服用できる患者だとしても必ず水に溶かしてから服用する必要があるのでしょうか。 テオフィリンDSのように顆粒のままでも服用でき...

亜鉛製剤による銅欠乏リスク:血清亜鉛値が正常でも銅の定期測定は必要か?

【質問】貧血傾向がある方で、ポラプレジンクや酢酸亜鉛などの亜鉛補充の薬を長期的に内服していた場合の銅欠乏の副作用についてどのようにフォローすべきなのかご教示ください。 採血で亜鉛の項目を確認すること...

欠食はSERMの血栓症、活性型VD3の高Ca血症リスクを高めるか?

【質問】欠食は、SERMと活性型VD3製剤の副作用リスク因子となるか。 SERMの静脈血栓症、活性型VD3製剤の高カルシウムの副作用について。 1食抜くと400mlの水分不足となると言われていますが、摂取水分の減少の面...

新着記事をもっと見る