【Q】ステロイド貼付剤のステロイドランクは?

【質問】貼付剤であるエクラープラスターはODT法での使用となるため、同成分の軟膏剤であるエクラー軟膏等(Strong)よりステロイドランクが高くなるようですが、実際のランクはどのくらいと想定したら良いでしょうか。また、その他トクダームテープ、ドレニゾンテープ等、ODT法を想定したステロイド貼付剤のステロイドランクはどのように考えたら良いでしょうか。

【A】ステロイド軟膏剤がテープ剤になると、ステロイドの吸収量が数倍となるため、ステロイドのランクが1~2ランク上がると考えられています。
(癩痕・ケロイド治療ジャーナル No. 10, 2016)

「ドレニゾンテープ」の成分は「フルドロキシコルチド」であり、ランクはweak (5段階中5番目) ですが、テープ剤ではstrong (5段階中3番目) になると考えれます。一方、「エクラープラスター」の成分は「デプロドンプロピオン酸エステル」であり、ランクはstrong(5段階中3番目)ですが、テープ剤ではstrongest(5段階中1番目)になると考えられます。

成人において治療目的で用いた場合、「エクラープラスター」が「ドレニゾンテープ」に比べて有効であったと報告されています。(癩痕・ケロイド治療ジャーナル No. 10, 2016)

一方で、実臨床において、「エクラープラスター」は「フルコート(strong)」と「ベトネベート(strong)」の間に位置すると医師へのアンケート調査結果があります。

以上より、ステロイドテープ剤は軟膏剤よりランクが1~2ランク高いことを前提とし、部位、年齢、経験則などを考慮した選択が必要と考えられます。

 

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】剤形によるステロイド外用薬のランクの違いは?

【質問】海外のステロイド外用薬は国内のI (Strongest)~V (Weak)より細かく、I~VIIの7段階の分類になっており、その中では同じステロイドでも剤形によりランクが異なる場合があります。例えば、ベタメタゾンジ...

【Q】外用塗布剤の「1日数回」とは?

【質問】外用塗布薬の「1日数回」とはおおよそ何回くらいまでを指しているのでしょうか? 【A】外用塗布剤の塗布回数と効果の関係は検討されていないため、添付文書において「1日数回」と明確な回数が記載されてい...

【Q】ステロイドの離脱症状が生じる用量と内服期間は?

【質問】ステロイドを含むセレスタミンがいきなり毎朝1錠服用×30日分で処方されてきました。患者さんも「シーズンだけ」と言っていましたが、長期連用の長期とはどの程度の期間を指すのでしょうか?おそらく1~2...

新着記事

「用時懸濁」指示時における粉末服用の可否は?

【質問】ドライシロップについて。用法に用時懸濁とだけ記載ある場合は、粉のまま服用できる患者だとしても必ず水に溶かしてから服用する必要があるのでしょうか。 テオフィリンDSのように顆粒のままでも服用でき...

亜鉛製剤による銅欠乏リスク:血清亜鉛値が正常でも銅の定期測定は必要か?

【質問】貧血傾向がある方で、ポラプレジンクや酢酸亜鉛などの亜鉛補充の薬を長期的に内服していた場合の銅欠乏の副作用についてどのようにフォローすべきなのかご教示ください。 採血で亜鉛の項目を確認すること...

欠食はSERMの血栓症、活性型VD3の高Ca血症リスクを高めるか?

【質問】欠食は、SERMと活性型VD3製剤の副作用リスク因子となるか。 SERMの静脈血栓症、活性型VD3製剤の高カルシウムの副作用について。 1食抜くと400mlの水分不足となると言われていますが、摂取水分の減少の面...

新着記事をもっと見る