経管栄養を行っている患者のナトリウム低下に関しては、一般的に塩化ナトリウムを水で希釈して投与する方法が推奨されます。
塩化ナトリウム1gを水20mLに希釈して空腸より注入することで限局性小腸炎が発症した。
(森川充洋,他:日臨外会誌:68 (7) : 1723-1726, 2007)
→この報告から、高濃度の塩化ナトリウム水を注入した場合、消化器系 (胃や腸など) の粘膜が障害される可能性があると考えられます。
ガイドラインにおいては、ナトリウムの希釈濃度に関する記載はありませんが、高濃度を避け、等張食塩液程度の濃度(100mLの水に対して0.9g程度の塩化ナトリウム)に希釈することが適切であると考えられます。
(引用文献および参考文献 : 飯島正平,ニュートリションケア 8 (10) : 1040-1045, 2015
名徳倫明,日本医事新報 4915 : 62-63, 2018)