【Q】点滴バッグの容器の目盛りを目安にして混注しても良いか?輸液調製における計量誤差範囲は?

【質問】注射薬の混合調剤について質問です。500mlバッグの半量を混注に用いる際、バッグに印されている線を目安に用いて調剤することはありますか?また、輸液調製においての計量誤差範囲とはどの程度のものなのでしょうか?予備容量など考え始めるとキリがないかと思うのですが…

【A】点滴バッグに印刷されている線(目盛)はあくまでも目安であるため、それを用いて調製することは避けた方が望ましいと考えられます。

注射薬や点滴製剤の成分によっては、正確な量でなくても大きな問題とならない場合があると考えられますが、「500mlバッグの半量を混注に用いる」場合においても、シリンジを用いて正確な量で行うことが望ましいと考えられます。

バイアルやアンプルなど正確な量を測ることが必要な薬剤の場合には、予備容量を含めて、シリンジで正確な量を計量する必要があります。数mL単位の計量であれば、注射針の外径の大小(16Gや18Gなど)によって残存する薬量の誤差が±5%を超えることもあります。

 

「輸液調製における計量誤差範囲」については明確な基準は定められていません。

しかし、滅菌済み注射筒基準において、5mL以上のシリンジの許容差は±4%以上、5mL未満のシリンジの許容差は±5%以上と規定されています。(厚生省医薬安全局長通知:医薬発第1079号) 

そのため、「輸液調製における計量誤差範囲」は±4%が一つの目安となると考えられます。

 

滅菌済み注射筒基準

公称容量の許容差
注射筒の公称容量目盛りまで水を吸い入れた後、ゼロ目盛りまで押し出して得た水の量の公称容量に対する許容差は、公称容量5mL未満のものにあっては±5%、公称容量5mL以上のものにあっては±4%であること。
(厚生省医薬安全局長通知:医薬発第1079号)

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