【質問】外用塗布薬の「1日数回」とはおおよそ何回くらいまでを指しているのでしょうか?
【A】外用塗布剤の塗布回数と効果の関係は検討されていないため、添付文書において「1日数回」と明確な回数が記載されていない薬剤が多いと考えられます。さらに、症状によって塗布回数が変わることからも「1日数回」と記載されていると考えられます。1日の塗布可能回数などを考慮し、最大5〜6回までが一つの基準なるのではと考えられます。
臨床現場では、ステロイド塗布回数は医師の考え方によっても異なります。症状に応じて1日2回と指導する医師や、短期集中的な治療を重視するため、1日4回塗布するよう指導する医師など様々であるのが現状です。
米国の添付文書やOTC薬における記載は以下通りとなっており、これらを参考にした個々の患者に応じた「1日数回」の解釈が必要と考えられます。
ロコイド軟膏0.1% / ロコイドクリーム0.1%
用法及び用量
通常1日1〜数回適量を塗布する。 なお、症状により適宜増減する。
(ロコイド軟膏0.1% / ロコイドクリーム0.1% 添付文書)
Hydrocortisone Butyrate cream
用法及び用量
・成人には症状に応じて、1日2〜3回塗布する。
・生後3ヶ月〜18歳には、通常1日2回塗布する。 (米国 Hydrocortisone Butyrate cream 添付文書)
→国内での塗布回数は1日1〜数回と記載されているのに対して、米国では同成分の外用塗布剤の塗布回数は成人1日2〜3回と記載されています。
ベタメタゾンジプロピオン酸エステル軟膏0.064%
用法及び用量
通常1日1〜数回適量を塗布する。 なお、症状により適宜増減する。
(ベタメタゾンジプロピオン酸エステル軟膏0.064% 添付文書)
betamethasone dipropionate ointment
用法及び用量
通常1日1回または2回塗布する。
(米国 Hydrocortisone Butyrate cream 添付文書)
→国内での塗布回数は1日1〜数回と記載されているのに対して、米国では同成分の外用塗布剤の塗布回数は成人1日1回または2回と記載されています。
アトピー性皮膚炎の治療では一般にステロイド外用薬は1日1~2回塗ります。症状が改善している場合は1日1回、より症状が改善した場合では1週間に2、3回などの場合もあります。毎回薬をもらう時に塗る回数も確認して下さい。スキンケアに用いられる保湿剤も1日1~数回塗る薬が大部分です。1日1回よりも2回や3回塗った方がより効果が得られるので、頑張って塗りましょう。軟膏やクリームなど外用薬の中には夜だけ塗るものや、2日に1回と隔日に塗るものもあります。このような薬では塗る時間や日数を守らないと副作用が起きやすくなるので、回数を守って塗って下さい。
(引用 : 公益社団法人 日本皮膚科学会 (https://www.dermatol.or.jp/qa/qa39/q02.html accessed 20200702))
→ステロイド外用薬は1日1〜3回と症状によって塗布回数が異なります。また、保湿剤についても同様です。
アンメルツレディーナ
Q. 1日数回とは何回くらいですか?
A. 1日5~6回を目安にしてください。
(小林製薬株式会社 HP)
エンペキュア
Q. クリームの用法に1日数回とありますが、塗布するタイミングの目安はありますか?
A. 使用間隔等に明確な決まりはございませんが、患部を清潔にした状態で塗布いただくとより効果的です。1日の使用回数は5~6回を目安にご使用ください。
(佐藤製薬株式会社 HP)
フルコートf
用法・用量
1日1~数回、適量を患部に塗布してください。塗布回数
ストロングランクのステロイド外用剤である「フルコートf」は、通常1日2回(朝・夕)、症状が重い時には1日3回(朝・昼・夕)塗布してください。
湿疹やかゆみなどの症状がよくなってきたら、回数を減らしていきます。
通常、5~6日の使用で症状は改善します。
(「フルコートf」の正しい使い方 田辺三菱製薬株式会社HP)
→OTCについては、患者向けにFAQが公開されています。「1日数回」は5〜6回で解釈されている薬剤や、1日2回〜3回と解釈されている薬剤があります。