【質問】「直腸にしか働きかけない浣腸は連用による耐性は生じない」「経口大腸刺激性下剤は連用により耐性を生じる」といった文献を目にしたのですが、実際浣腸に耐性はあるのでしょうか? 小児に対し、1日に頻回の浣腸を指示されている処方も散見されます。(ストマ閉鎖後など含む)
【A】グリセリン浣腸の添付文書において「連用により、耐性が生じる」と明記されています。
グリセリン浣腸の作用機序は「大腸蠕動運動の促進」と「浸透圧作用による軟便化」であり、「大腸蠕動運動の促進」に関して耐性が生じると考えられます。
浣腸の作用機序は、腸管壁から水を吸収し、腸壁を刺激して蠕動を促進することにより排便を促す。加えて、浸透圧作用により糞便を軟化、潤滑化させる。
(参考 : グリセリン浣腸液50%「ムネ」インタビューフォーム)
→浣腸は、大腸の蠕動運動を促進させることにより排便を促すため、経口大腸刺激性下剤と同様に、耐性が生じる可能性があると考えられます。一方で、浸透圧作用には耐性が生じないと考えられます。
連用による耐性の増大等のため効果が減弱し、薬剤に頼りがちになることがあるので長期連用を避けること。
(引用 : グリセリン浣腸液50%「…