【質問】NSAIDsではなく、プロスタグランジン自体の半減期を知りたいのですがデータが見当たりません。 痛みを感じてから痛み止めを使用した場合、すでに産生されたプロスタグランジンはどれくらいの時間でなくなるのでしょうか?
【A】プロスタグランジンは極めて分解されやすい物質であり、産生された後、速やかに分解されます。そのため、疼痛の消失に関してはプロスタグランジンの半減期は考慮する必要がないと考えられます。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、COX-2(プロスタグランジン合成酵素)を阻害し、PGE2(プロスタグランジンE2)の産生を減少させます。つまりNSAIDsはCOX-2を阻害し、PGE2の産生を減少させることで、発熱や炎症を改善します。
・プロスタグランジンは生体内には貯蔵されておらず、前駆体脂肪酸のアラキドン酸として細胞の膜に貯えられています。
NSAIDsは、COX-2を阻害することにより、アラキドン酸からプロスタグランジン、プロスタサイクリン、トロンボキサンへの最終的な変換を阻害することです。(アラキドン酸→PGG2→PGH2→PGD2、PGE2、PGF2、PGI2、TXA2)
・プロスタグランジンは組織、細胞に蓄えられていない
・産生された生成物は速やかに分解される。主として局所で作用し、動脈血により遠隔に運ばれ作用することはほとんどない。
(Folia pharmacol. japan 94, 159-171, 1989)
→こちらの報告よりプロスタグランジン類は産生された後、速やかに消失すると考えられます。
・PGI2のエポキシド部分は不安定で、37°C中性の水で半減期5分である。分解されると、安定で顕著な生物活性がない6-ケト-PGF1αになる。(東京科学同人 生化学辞典)
→PGI2に関しては、半減期が5分程度と記載されている。